あきらめたらそこで概算取得費5%ですよ。

土地

3dman_eu / Pixabay

今日から確定申告の提出期間が始まりました。

譲渡所得税の計算では、取得費をあきらめると税金が高くなります。

 

計算構造と概算取得費

譲渡所得税とは

土地や建物を売った売却価額から、取得費と譲渡費用を引いて計算をした

譲渡所得=売却利益にたいして課税される所得税です。

 

売却価額-取得費-譲渡費用=譲渡所得の計算構造ですが、

売主として売却しているので

売却価額と譲渡費用=売るのにかかった費用はすぐにわかります。

 

問題は取得費です。

これは、今回売却した土地建物を買ったときの価額がベースなります。

 

もし購入したときの売買契約書で金額が確認できなければ、

概算取得費を使って計算してもいいよ、ただし売却価額の5%ね。

というルールがあります。

これを使えてラッキーとはあまりなりません。

 

例えば、1,000万円で去年、土地建物を売却したとします。

買ったときの契約書がなくて概算取得費を使う場合、

1,000万円×5%=50万円となります。

つまり、1,000万円-50万円=950万円に税金がかかることになります。

 

所得税と住民税あわせて20%の税率の場合、

950万円×20%=190万円となります。

かなり高額になっているのがお分かりになるかと。

 

これが購入したときの価額が契約書で500万円とわかれば、

1,000万円-500万円=500万円

500万円×20%=100万円

 

特に、相続で引き継いできた不動産については取得価額も引き継ぎます。

これが意味することは、亡くなったひとが最初に買ってきた時の値段を引き継ぐということです。

かなり昔の話で、買ってきたひとに話は聞けません、亡くなっているので。

 

なので、譲渡所得の申告についてご相談があったときに

まず確認するのが、取得時の売買契約書が残っているか?ということになり、

なければまず探してみましょうとなります。

 

謄本から売主にコンタクトしてみる

売買契約書は、売ったひとと買ったひと、それぞれが基本的に取得します。

買ったひとが持っていなければ、売ったひとに聞いてみましょう。

 

売ったひとがもし分からなければ、

登記簿謄本を取得すると、売ったひとの名前や住所がわかります。

 

それを元に、突然のお手紙を送ってみたり

ダメもとで連絡をとって事情を説明し、売買契約書を保管していないか

確認をしてみましょう。

 

もしお手元に残っていれば、コピーをさせてもらえば取得費がわかり、

税金が減らせる可能性が高くなります。

 

わたしは先日この方法で売買契約書を取得することができ、

結果として譲渡損失で申告不要、税金なしを明らかにすることが出来ました。

売買契約書を提供してくれた売主さんには感謝しても感謝しきれません。

ダメもとで聞いてみることをオススメします。

お隣さんに聞いてみる

新興住宅地であれば、お隣さんとも仲が良かったハズ。

少なくとも面識はあるでしょう。

 

新興住宅地やマンションであれば、購入希望者の募集の際に

大々的に広告をしたり、パンフレットを作成していることが多いです。

 

このパンフレット、取得費を確認するのに使えることがあります。

お隣さんであれば大きな価額の違いはありません。

何より第三者から提供された資料ということもあり、

客観性が比較的高い資料として、取得費を計算する際に参考に出来ます。

 

売主さんにコンタクトが取れなかった、売買契約書の保存がなかった場合、

それでもあきらめずにお隣さん、ご近所さんに声をかけてみましょう。

 

案外残っていたりするものです。

以前わたしもこの方法で、お隣さんから客観的な資料の提供をうけて

結果、譲渡所得を大幅に減額することができました。

まとめ

今回列挙した方法以外に、

推定取得費を使ったり、不動産鑑定士に時価算定を依頼したり、

といった方法もあります。

ただ推定取得費はあくまで、これぐらいと思われるのでお願いします、

というレベルですし、不動産鑑定をとると費用が掛かります。

 

費用が掛からないという意味で、

チャレンジする価値があるものを今回は挙げてみました。

今からでも間に合う、、、ハズです。

あきらめたらそこで概算取得費5%です。

 

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この記事を書いた人

ひとり税理士として独立開業した京都在住の税理士です。ひとり税理士としてチャレンジしていること、考えていることなどを発信していきます。

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