ぼくなりの記帳代行の考え方。効率化へとつなげるために

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おはようございます、京都の所属税理士takasagoです。

税理士業ではよく耳にする、記帳代行。

独立した後に引き受けるのか、受けないのか。

記帳代行業務の意義と、今のぼくの考え方をまとめます。

 

目次

そもそも記帳代行とは

記帳代行と聞いて、パッと思い浮かぶひとも

そうでないひともいらっしゃるかと思うので、

記帳代行をおさらいしましょう。

 

記帳代行とは、記帳を代行すること。

記帳とは、帳簿を記入すること。

代行とは、経理をする会社ではなくて税理士がそれを代わりに行うこと。

 

まとめると、

会社や個人事業で経理をして、その経理の内容を帳簿に記帳する、

という本来は事業主で行うことを、税理士が代わりに記帳する。

これを記帳代行といいます。

 

経理業務は税理士は代行しません。

経理業務とはイロイロな区分がされるでしょうが、

現預金の出納管理

売掛金の回収

買掛金の支払

経費の精算

伝票の起票

給与の計算および振込

税金の支払

などなど、事業主で行うお金にまつわる業務です。

 

で、この経理業務の結果を帳簿に記入することが必要になります。

帳簿には、総勘定元帳や仕訳日記帳、補助元帳など

業種や業態、また規模に合わせて必要なものを選択し

記帳をしていくことになります。

 

ちなみに、記帳はなぜしなければいけないかというと、

そういう風に決まっているからだ!(笑)

 

すべての事業者は記帳と帳簿書類の保存が義務付けられています。

というか、記帳がなければ資産や負債の状況も

利益がどれだけ出ているかも、分からないですよね。

 

例えるならば、コンパスもたずに大海原で

どこかへ向かおうとする、そんな無謀なことをしますか?

 

経理業務と記帳業務は、事業を導く道しるべ、という理解が必要です。

 

でも、記帳が難しく感じることもあるでしょうし、

正直メンドーだと思う方が多いのも事実です。

 

なので、税理士や会計事務所では

お客様から記帳に必要な資料(領収書や請求書、現金出納帳、預金通帳など)を

お預かりして記帳をする業務が相当昔からあります。

いまでもあります。

 

昔々、パソコンなどない時代では

申告書はもちろんのこと、すべての書類は手書きでした。

手書きの時には、計算があっていて、貸借があっていることに

価値がある時代でした。

 

でも、いまは手書きのみで記帳していたり、申告書をつくることは

少なくなってきています。

IT化の波がようやく、会計業界、税理士業界にも押し寄せています。

 

それでも記帳代行業務はいまでも残っています。

昨年のAIに奪われる仕事として記帳代行が挙げられているこの現状でも

まだ残っています(笑)

しぶといですね。

 

このしぶとさはどこからくるのか。

それはニーズがあるからに他なりません。

 

記帳代行をしてもらえれば、事業者にはメリットがあるのです。

記帳代行のメリット・デメリット

事業者が記帳代行を会計事務所に頼むメリットは

以下のようなものが考えられます。

メンドーな作業をアウトソーシングできる

本業に集中する時間が確保できる

誰かひとを雇うよりもコストカットできる

コストカットできて、時間を作れて

メンドーな作業を外に出せる。

事業者側から考えると、メリットは魅力的ですね。

 

メンドーなコトは皆さん嫌いです。ぼくも嫌いです(笑)

なので、入力作業がメインの記帳業務は敬遠されがちです。

 

記帳業務を代行してもらえると

本業に集中する時間が増えます。

本業に集中する時間が増えると、売上が増える、とそりゃいいですね(笑)

 

経理業務に追加して、記帳業務を人を雇ってお願いするとします。

ひとを雇うことのコストは相当に高く、20万円ぐらいはすぐに吹っ飛びます。

それも毎月、雇い続ける限りです。

であれば、代行してもらったほうが安く済む、という考え方になります。

 

では、デメリットはないかというと、もちろんあります。

それは以下のようなものが考えられます。

試算表の完成が圧倒的に遅い

自分の事業なのに、客観的な数字で状況が分からない

数字が読めないまま事業を行うことのリスクが高い

記帳代行の分は費用が掛かる

 

試算表というのは、決算の前の試しの表、ということになりますが、

簡単に言うと途中経過です。

途中経過を毎月確認できれば、事業の軌道修正を検討できます。

 

記帳代行をしてもらうということは、

すなわち試算表の完成は会計事務所次第ということを意味します。

記帳代行の場合の試算表ができるまでの業務の流れは

事業者で資料をそろえて会計事務所が預かる

受け取った会計事務所では、順次入力(即時入力ではない)

入力後のチェック後、報告・訪問のスケジュール調整

実際の報告

となります。

2~3か月のズレで試算表の報告をする、なんてことはザラです。

そうなると最早、試算表自体の有効性が著しく下がります。

情報の価値が下がってしまうんですね。

 

また、試算表というのは日々の積み重ねのうえで

便宜上、月ごとに区切って表を作っていますが、

これは別に月にしなければならない、ということではありません。

 

別に必要であれば週次でも日次でもよいのです。

よりタイムリーな情報を得られるという意味では、

スパンが短いほうが、情報の価値はあがります。

 

さらに、試算表というのはある意味数字の羅列であって

客観的な情報です。

それをどう読み取るかで大きく状況の把握が変わります。

 

事業環境が日々変化する中で

何か月も前の数字の報告を受ける、または数字が読めない、

というのは事業を運営する中で、ある種致命的です。

 

ぼくの考え方

では、ぼくの考え方はどうかというと。

 

記帳代行自体はまだまだニーズがあるというのは事実です。

しかし、今は記帳についてはクラウド会計など

良いツールがたくさん出ていて、

上手く使えば、記帳を自前で(事業者側で)することも

可能な状況になっています。

 

でも、いまは記帳代行を頼んでいるので

自前で記帳すると言ってもよくわからない。

という顧客が多く、そこに参入できればと考えています。

 

つまりは、記帳代行で業務を受ける期間を例えば一年と区切り、

その記帳代行を進めていく中で、自前で記帳できるように

お客様の経理業務からコンサルティングしていく。

そんな顧問のかかわり方を目指します。

 

記帳代行を一年受けて

自前で記帳できるようになったら、顧問料を下げるつもりです。

 

そこから先は、経理の相談や記帳内容のチェック、

効率化の提案をさらに進めていくことでお客様の効率化を

推進していきたいなと。

まとめ

記帳代行については、税理士業界でも対応が分かれるところではあります。

ひとり税理士になったときに、どんな風にお客様に貢献できるかな

価値を提供できるかな、ということを考えた時に、

大きな会計事務所ではやりづらいことをやっていくこと、

ニッチな部分を探していくことが重要かと、日々感じています。

いわば相談しやすい街の税理士さんです。

目指すところを模索し続けます。

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この記事を書いた人

ひとり税理士として独立開業した京都在住の税理士です。ひとり税理士としてチャレンジしていること、考えていることなどを発信していきます。

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