金融機関は残高証明など相続手続きを統一してはどうか

金融機関は残高証明など相続手続きを統一してはどうか

相続税申告のご依頼があると相続手続きのサポートをすることがあります。口座解約前の段階で残高証明書や相続財産評価証明書などが必要になるためです。

今回はハードな内容のところがひと段落しつつあり、冒頭タイトルのようにこうしてはどうかということを書いてみます。

目次

相続手続きはたらいまわしされがち

相続手続きもご依頼をいただき取り掛かっていたところが10社以上の金融機関に口座をお持ちでしたので時間がかなりかかりました。

一番大変だなと感じたのはたらいまわしです。

ひどいところだと以下のような経過をたどりました。

支店に口座凍結の連絡をする

支店からではなく相続手続きセンターから折り返しがある

その折り返しの電話で支店に電話するように指示される

支店に電話するとそんな話は聞いてないといわれる

この繰り返しです。

支店の電話応対者も相続手続きセンターの応対者もどっちも不慣れだとこういうことが起きます。

こちらもはじめて残高証明を取るわけでもなくある意味で慣れていると思っていますが、相手方の応対の熟練度・習熟度までは当たり前ですがわからず。

あまりこのワードを使いたくないのですが、かなり担当者ガチャ、どういう人が応対してくれるかでその後のスムーズさが格段に違うということがあるのです。

1社や2社なら笑って済ませられる話も何度も何度もされるとやはりきついものがありました。

委任状も各社で使うように作成しているにもかかわらず原本を預りではなく提出させようとしたりなど。

こちらの事情を聞くことなく勝手に話を進めようとするのでさすがにそれはできない、話が分かる人に代わってほしいということも何度かお伝えしました。

あとは最近はweb予約がメインになっている金融機関も多く、高齢の方にはかなりハードルが高いです。

予約をしなければ当日受付もしてもらえないようなことも言ってたのでそれもどうかと思います。

確実に言えることは担当者ガチャの要素がかなり大きく、また金融機関からしてもうまく対応できていないことが多い、ということでした。

相続手続きの統一をめざしてはどうか

今回のことで強く感じたのは相続手続きの統一を進められるところは進めてみてはどうか、ということ。

例えば委任状を統一したものを作るというのはどうでしょうか。

委任の範囲もそうですが委任状の文言からして指導というか、その書き方だとできないみたいなことが以前は頻発していた印象です。

そうなるとせっかくとった委任状も無駄足になるわけですし、委任状を全銀協で統一しておくというのはそれほど難しい話ではないはずです。

各社が好き勝手していてそれに相続人や委任を受けた代理人が振り回されることが本当に多く、不慣れだとかなり大変な作業になります。

委任状や相続手続きの流れ、必要書類の統一などやろうと思えばできるのではないかなと。

せめて相続手続きセンターを置くのであれば各社の金融機関は、内部的な処理や応対ができる人員に応対させるべきです。

何かしらの動機がないとなかなか動けないかもしれませんが、今後は高齢化もすすんで行くことは間違いのないことですし相続手続きの統一はスムーズな遺産承継にも有効でしょう。

相続手続きの本と言えば

まとめ

相続手続きはご自身で、申告はお願いしますというケースでも書類の不備があることは多いです。残高証明書の証明日が亡くなった日でなかったり。定期預金の経過利息の金額の記載がなかったり。

こういったことは窓口の担当者でもわかっていないケースは本当に多いです。

今後も相続税申告は減ることはあまりなさそうですので手続きの簡略化、スムーズな手続きのために業界として取り組んでもらえると相続人のかたにもよいのではないかなと。

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この記事を書いた人

ひとり税理士として独立開業した京都在住の税理士です。ひとり税理士としてチャレンジしていること、考えていることなどを発信していきます。

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