今の秋のシーズンは、税理士にとって少し繁忙期から外れた落ち着いた時期ということもあって、いろんな催しがあります。税理士が集まったり、会計ソフトの会社のイベントがあったりなど、いろんな税理士の仕事を見る機会も多いです。自分にとっての税理士事務所の将来の形はどういうものになるか、ということを少し考えてみたいと思います。
自分の税理士業の方向性
私自身は、いま法人の顧問は事業承継が絡んでいる先を中心にご依頼をいただいているのと、スモールな規模、いわゆる1人社長の会社が多いです。法人のこの先については、それほど増えているわけではなく、増えたり減ったりを繰り返しながら件数としてはキープされているような感じです。
一方で増えているのは、個人事業主の顧問の方で、主に漫画家、同人作家、同人ゲームクリエイターのお客様がやはり多いです。コロナ禍で漫画家や同人作家の方が電子書籍を出すということのハードルが下がり、またコミックマーケットや紙で本を出すことの大変さも増えているような気がします。
印刷についても単価が上がっていると聞きますし、ネットを活用して仕事をしている方が増えてきているので、私としては事務所ホームページで営業できるということがそこにマッチしたと思っています。発信内容も動画であったり、ブログを見てご依頼をいただいている形で、個人事業主の方については顧問契約の方は今後も増えてくるように思います。
件数としては年に2〜3件ずつの増加ではありますが、確定申告時期の件数を考えると、そろそろ一旦止めるということも考えてもいいかもしれません。
もう一つの仕事の柱としては、相続に関する業務です。相続税申告もそうですし、財産評価、相続税対策等のご提案も、すごく件数が多いわけではないですが、ある程度ご依頼をいただけている状態です。こちらも併せて継続していきたいと思っています。
自分の税理士業を棚卸しすると、割と幅広くやれているのかなという印象ではありますし、手が空いたなと思う時間があまり多くなく、スポット相談のご依頼をいただいたりもしているので、時間がなくてどうしようもないという状況ではないですが、仕事がなくて手持ち無沙汰という状況でもないです。
税理士事務所の形としてはどうか
税理士事務所や税理士法人にするということは、税理士としてどういう仕事の仕方をしていきたいかにも大きく影響してくると思います。例えば拡大傾向の事務所であれば、自分が申告書を作らず、所属税理士や社員税理士、他の税理士に作ってもらって、自分は営業や事務所運営に注力するというタイプも多いでしょう。
ただ私はそういう拡大傾向にはなれないと自分では思っているので、良くてもパートさんを後何人か増やす形でやっていくことになりそうです。今少し考えているのは、クラウド会計ソフトを使ってるお客様が多いので、フルリモートでパートさんを採用できないか、ということを考えたりしています。
現状では京都市内の大学生に来ていただいているのですが、今は通いで来ていただいてます。地方や介護・看護などで時間が厳しいという方もいらっしゃるでしょうし、そういう人でも仕事をしたいとか、自分のキャリアを活かしたいと思う方もいらっしゃると思うので、そういう方向けにリモートでパートさんを募集してもいいかなと少し思い始めています。
それぐらいの件数にはなってきている状況ですので、より営業に力を入れていきたいと思っていますし、税理士1人、パート2~3人が私にとっては良い形になりそうです。あくまで自分は申告書を作ったりということももちろんあるのですが、お客様の対応は全部自分でやるということに落ち着きそうですし、その方がお客様にも満足していただけるのではないかなというふうに考えています。
営業の方向性はどうか?
事務所では発信をメインにした営業をやっていて、それに基づいて活動しています。例えば動画やブログ、事務所ホームページの記事、メルマガなどもそうです。発信をすることで、お客様になりそうな方に目に留めていただいて、タイミングが合えばご依頼いただくというような形です。
一方で、攻めの営業として例えば交流会に参加したりということも考えなくはないのですが、現状のところでは今のところうまくいっているように感じているので、発信による営業を続けていく予定です。
そもそもあまりたくさんの人と会ってということが得意ではないように思っていますし、こちらの本でもそういう特性があるというふうに出ていましたので、自分に合わないことをするよりも自分に合うと思うことを伸ばしていった方が良いのかなというふうに感じています。
ただお客様対応についてはリモートやオンラインももちろんありますし、対面のお客さんもいらっしゃるので柔軟に考えています。あくまで発信の営業としてはオンラインがメインになるということです。
まとめ
秋の落ち着いた時期に自分の税理士事務所の将来を振り返ってみました。法人顧問は事業承継案件や1人社長の会社を中心に安定的に推移し、個人事業主、特に漫画家や同人作家といったクリエイター系の顧問が年2〜3件ずつ増加しています。相続業務も柱の一つとして順調に推移しており、全体として手持ち無沙汰でもなく、かといって手一杯でもないバランスの取れた状態です。
今後の事務所の形としては、拡大路線ではなく、税理士は私ひとりでパート2〜3人という小規模体制を維持しつつ、フルリモートでのパート採用も視野に入れています。お客様対応は引き続き自分が全て担当し、申告書作成も自ら行うスタイルを貫く予定です。
営業面では、動画やブログ、メルマガといった発信型の営業が自分の特性に合っており、今後もこのスタイルを継続していきます。交流会などの対面営業は得意ではないため、オンラインでの発信を軸に、お客様対応では柔軟に対面・リモート双方に対応していく方針です。自分らしい税理士事務所の形が少しずつ見えてきました。