私の事務所では、個人事業主の顧問契約をいただいている件数が増えてきているので、事業所得の確定申告が増えてきています。現在では約20件ほど事業所得の申告がありますが、勤めていたときのような繁忙期というイメージはなく、少し対策を行うことでスムーズに業務に取り組めていますので、今日はその辺の話を書いてみます。
繁忙期を平準化するためにやっていること
私が事務所に勤めていたときには資産税部門に所属していましたので、事業所得の申告の担当はほとんどありませんでした。代わりにと言ってはなんですが、譲渡所得の申告の件数が毎年それなりにあったので、そちらの対応で忙しくなるというイメージです。
一般的な税理士事務所の繁忙期としては、やはり12月から3月までと、確定申告が終わってからは3月決算5月申告の法人の対応が多いと思います。
現状の場合は11月決算1月申告のところはなく、12月決算で2月申告のところが2件ありますが、1月決算3月申告の法人はないので2月に法人の申告をおこなってからは7月まで法人に関しては申告がない状態です。その点は少し繁忙期を平準化するために有利になっていると思います。
一般的な税理士法人や税理士事務所だと、その期間に法人の申告がたくさんあるケースもあり、そこにプラスして個人事業主の申告があるということになるからです。いまの私は前述のような状態には結果的になっているのですが、もし今から法人のお客様でその期間、例えば1月から3月の法人の申告のご依頼があったときにどうするか。
法人の決算申告時期をずらすことができるのであれば、お受けしてもいいかなという風には考えています。やはり件数的には個人事業主の確定申告は今どんどん増えている状況ですので、その期間に法人の申告を増やしたいという考えはあまりありません。
顧問契約を基本にする理由
個人事業主の申告件数が増える分に関してはまだ大丈夫かなという感じではありますので、それに向けてやっていることもあります。
私は個人事業主の事業所得に関しては、基本的に新規の年一回のお客様はお受けしていません。というのも、やはり年に1回に資料やデータをお預かりして申告書を作るというのは、時間的な制約もあり、かなり難しくなってきている現状があるからです。
今個人のお客様で事業所得で申告をしている方は顧問契約になっています。顧問契約の場合は、ほぼ毎月データを共有してもらっていますので、多少遅れることはあっても、例えば年内のうちに10月から11月位までは月次が進んでいる状態になっています。
また適宜ご案内したりコミュニケーションをとっていますので、確定申告に必要な書類も届き次第共有してもらっていて、ふるさと納税や生命保険料控除の証明書など各種の証明書も過不足なく揃えていただいています。
こうしてお客様のご協力もありスムーズに進んでいる面は大きいです。顧問契約で事業所得のお客様が増えているので、年内に月次を進めておくことで繁忙期を平準化することができています。
早めの準備で余裕を持つ
年内に10月から11月位までのデータや資料をお預かりできていれば、年明けに年末までの残りの分をお預かりして、早ければ2月の初めから確定申告が始まるまでにデータが整っているケースは非常に多いです。あとはお客様と抜け漏れがないかの確認をしていただいて、少し打ち合わせをして確定申告をするという形になります。
なので実際のところ3月15日ギリギリまで申告が延び延びになってできないということは、私のケースだとほとんどない状態です。繁忙期を嫌に感じる時期も確かに私はあったのですが、やはりそこに業務が集中しすぎると、そういう気持ちになるのかなということもあって、漫画家や同人作家のお客様からのご依頼をいただくようになってからは、顧問契約でお願いするようになっています。
不動産所得や譲渡所得等はどうしてもその時期に集中はするのですが、それでも事前にデータをお預かりしたりできることもあるので、そういったことも地道ですが、積み重ねておくと年内のうちにできることをやっておくだけで少し違ってくるのかなという印象です。
実際の働き方
年が明けて3月の確定申告時期に、私の場合は残業という概念が個人事業主ですからないのですが、遅くまで仕事をすることはほとんどありません。
大体8時前ぐらいには仕事を開始して、遅くても夜6時か7時位までしか仕事をしないようにしています。その間も休憩をしたり打ち合わせがあったりして、がっつり確定申告書だけを作成する時間というのはあまりないです。
また去年から確定申告時期も含めてアルバイトの学生さんに来てもらっていますので、年明けに資料を預かって、少し多いなというときにはアルバイトさんにExcelに入力をしてもらうようにもしています。
独立する前はこうした仕事の仕方を全く想定していませんでしたが、お客様からのご依頼が増えてきて試行錯誤の結果、今に至っています。
繁忙期を嫌がる人も多いと思いますが、やりようによってはうまくできるかなと思いますし、私もまだキャパシティ的には顧問契約であれば大丈夫という見積もりなので、もう少し営業を頑張ってみたいとも思っています。
まとめ
繁忙期を平準化するポイントは、顧問契約を基本にして年内から準備を進めておくことだと実感しています。
年に1回の申告だけだと時期が集中してしまいますが、定期的に年内のうちからデータを共有してもらい、必要書類も早めに揃えていただくことで、確定申告時期にも余裕を持って対応できるようになりました。アルバイトさんの力も借りながら、無理のない働き方を続けていきたいと思っています。