先日SNSで以下の記事をシェアしたところ、非常に反響がありました。
会計データ、特にお客様のものを生成AIに読み込ませることの賛否やリスクについての記事です。
確定申告の経費整理、「Gemini 3」に丸投げしたら作業時間がおよそ”半分以下”になった_Business Insider
https://taxmlcheck.jugem.jp/?eid=9692
私は今のところそういったことはやっていないのですが、色々と思うことがあり、AIにやらせていること・やらせていないことなど、少し書いてみます。
生成AIの発展速度は凄まじい
生成AIの発展速度はとても目覚ましいものがあります。去年の今頃と今とで全然できることが違う、ということもしょっちゅうありますし、フォローしていないとなかなか追いつけないということもあるでしょう。
AIを使って業務の効率化を図りましょうというのは、税理士業界でも特によく言われていることで、最近のトレンドはその方向性の話が非常に多いです。
もちろん税務申告を作ったり、会計帳簿を作ったりといったことをすべて生成AIでできるとは思いませんが、有効活用できる部分は確かにありそうな気がしています。
ただ私自身は現在、お客様の会計資料やデータを生成AIに読み込ませるということはしていません。理由のひとつは、やはり生成AIもミスが起こりうるということです。
また資料を読み込ませるという観点であれば、アルバイトの方に入力してもらったり、AI OCRと呼ばれるレシートの情報を読み取るソフトウェアを使う方が精度が高い面もあるかなと思っています。
リスクという点で見ると、私のお客様には漫画家や同人作家の方が多いのですが、そういった方々は税理士業界よりもさらに、AIによる仕事への影響や危機感が強いです。
ご自身が作成された漫画・作品・イラストなどを生成AIに読み込ませることを非常に嫌う方も多く、禁止している方もかなりいます。
そういった背景もあって、私の事務所ではお客様からの同意も現時点では取っていませんし、お客様の会計データを生成AIに読み込ませるということもしていません。
そこに至らなくても、まだまだできることはあるかなというのが率直な印象ですし、実際に私も生成AIを使って自分自身の業務効率化を図っています。直接的に会計データを読み込ませるのではなく自分の効率化がメインです。
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いろんな用語が出てきて「生成AIについてよくわからない」という漠然とした不安を感じている方もよくわかります。
私自身もオプトアウト条項などよく理解できていませんでしたし、どういったリスクがあってどういう対策が必要なのか
冒頭の記事にあるように——たとえばオンラインストレージの海外サーバーにデータを置くことと、生成AIにそのデータを読み込ませることの違いであったり、Gmailはどうなのかという話であったり——そういったリスクはAIを使っていても存在するものです。
なかなか信用しきれないという部分が大きいのかなと感じますし、感情的な側面が影響しているというのも正直なところです。
では実際に自分がどういった業務に活用しているかというと、最近やったことをいくつかピックアップしてみます。
私は業務効率の管理においてGASを使うことが多くなってきました。
Google Apps Scriptと呼ばれるものです。Gmailの下書き作成や、税理士業務において必要な業務処理をいかに効率よく作成できるかを考えながら、少しずつ手を動かしています。
プログラミングを書いてもらうことに関しては、自分よりもはるかに生成AIの方が得意で、その精度には本当に驚かされます。
またプログラミングの良いところは、間違っていた箇所を指摘するとその通りに修正してくれる、フィードバックのサイクルが回しやすいという点です。
自分の業務効率化だけに使っているわけですが、それでも十分に時間を短縮したり、手間を減らしたりということにつながっていると感じています。
このブログやメルマガについても、音声認識入力を活用しており、生成AIの音声認識ソフトを使って文章を起こしています。また、出来上がった文章を生成AIで誤字チェックして整えてもらうということもやっています。
どこまで生成AIにサポートしてもらうかというのは人それぞれでよいと思いますし、倫理的な問題も含めてまだまだ未知数な部分も多いと感じています。ただ、情報流出のリスクはやはり存在するため、慎重に対応していきたいところです。
まとめ
生成AIの進化は目覚ましく、税理士業務においても活用の場面は確実に広がっています。
一方で、お客様のデータを生成AIに読み込ませることには、情報流出のリスクや、クリエイター系のお客様が持つAIへの強い懸念など、慎重に考えるべき要素が少なくありません。
私自身は現時点でお客様のデータを生成AIに渡すことはせず、プログラミング補助や文章の誤字修正・整形など、自分自身の業務効率化の範囲に留めて活用しています。
「どこまでAIに任せるか」の答えは人それぞれで構わないと思いますが、リスクをきちんと理解したうえで、自分なりの線引きを持って付き合っていくことが大切ではないでしょうか。
最後に最近わたしが読んだnoteの記事でとても共感した内容をご紹介します。自分の仕事とAIについて考えるキッカケにしてもらえたらと思います。後半部分は有料の記事ですが前半部分だけでもぜひ読んでみてください。
AIが奪うのは「作業」であって「職業」でも「仕事」でもない
