TAINSというサイトを利用しはじめてちょうど1年経ちます。わたしなりの活用について整理してお伝えします。
いつも通りの使い方 裁決などの閲覧
TAINSは税理士向けの情報提供サービスでwebで主に裁決や判決を読むことができます。
裁決というのは国税不服審判所の判決のようなもので決定事項と読み替えてもらったらよいです。
通常、税務調査があると税務署から修正申告の勧奨がなされます。その際に処分内容に納得できなければ修正申告に応じないこともできます。
修正申告をしない場合には税務署内部で税務署長決済のもと、修正内容などを決定して税額などを通知してきます。
これを更正処分といい、更正処分があってはじめて税務署長宛の再調査依頼や、国税不服審判所に申し立てをして税務署の処分内容について争うことができます。
審判所での争いの結果が裁決で、割合としては低いのですが処分の一部または全部取り消しをされたり、そのまま税務署の処分を維持したり、ということになります。
争いがあった事例についての申し立てですから、自分の顧問先などの処理についての参考になりますし対応すべきことなどを整理できます。
裁決は公開されているものは審判所のホームページで公表され、個別性が強いものなど非公開とされ公表されません。
ただ非公開の裁決でも参考になることはありますのでTAINSにも収録されることがあり、ほかには税のしるべの電子版でも情報公開制度を利用して掲載されているものがあります。
税理士向けの税法オンラインデータベースと考えておけばよいでしょう。通常は、裁決・凡例の確認に使っています。
契約書などのひな形
TAINSのwebサイトの一番下のいわゆるフッターと呼ばれる部分にJappica書式集検索というリンクがあります。
こちらは税理士にはおなじみの日本法令が監修しているサイトで、ここでは各種契約書などの書式を取得できます。
各種契約書や会社規定、内容証明などの法律に基づいておきたい書類の書式が掲載されていますので便利です。
顧問先などから相談があった際には弁護士に確認することも前提として書式のひな型を提供することもあります。
結構幅広く書式がカバーされていますのでもし見たことがなければ一度見てみるといいでしょう。
インボイス制度の事前準備チェックシートなども提供されいますのでわたしもお客様にこれを基にお話したことがあります。
TAINSの利用料に含まれていますから使えそうなものがあればどんどん使っています。最近だと電子帳簿保存法の事務処理規定や電子データ保管ガイドなどもありますのでお客様に提供するものとしても良さそうです。
動画研修がおすすめ
TAINSでは月に一度、研修動画がリリースされておりいずれも30分と短く編集されています。
裁決などがベースになっている内容ですがこれが私のおすすめです。
短い時間なので隙間時間にちょっと見たりすることもできますし、文字ベースで裁決を確認するよりも動画のほうがわかりやすい面もあります。
講師とディレクター2人の3名の税理士がディスカッションをしているのですがそれも参考になってとても良いです。
実務ベースでやっておくことなども整理できますし危険な処理と認識していなくて気が付くこともあります。
最近視聴して面白かったのはこの2つの動画です。
代理人の顕名がない 贈与契約書の有効性 ~生命保険契約の保険料を誰が負担したのか~
「1人飲み」交際費計上と重加算税 ~事実の仮装隠ぺいと認定された事案~
まとめ
せっかく契約したのであればしっかり活用したいところですし動画はサクッと見れる時間設定なので結構おすすめです。
裁決は特に不服審判所での認定事実の内容が確認できるのでより実務に沿った内容でこういうことが調べられるんだなというのがわかります。
リスクマネジメントのためにもこういう処理はリスクがあるということを知るための情報として有用です。