先日、京都マラソンの抽選発表があり当選していました。来年の2月15日、確定申告真っ只中ですが走ってくる予定にしています。
私は趣味で日々ランニングをしているのですがその延長でマラソン大会に出場しています。
マラソン大会の収支は結構厳しいと聞いたことがあり、今回は少し私の趣味と絡めて収支の話や付加価値について考えてみたいと思います。
マラソン大会の収支は、計算そのものは簡単
例えば今度開かれる京都マラソンで考えてみると、収入金額というのはランナーのエントリー料です。
これに関しては単価も決まっていますし、参加人数も決まっています。また大規模な災害がない限り返金はありませんので、収入金額としては見込みやすいです。
一方で、大会運営にあたって様々な経費がかかります。警備員の人件費やゼッケンなどランナーに渡されるもの、大会運営そのものにかかる費用など各種かかってきます。
最近はこの大会運営費用が物価高の影響でどんどん高騰していると聞いています。収入はある程度見込める部分があっても、運営経費についてはどんどん上がっているという状況のようです。
これはどんなイベントでも似たような部分があると思います。例えば先日終了した大阪万博についても当初の見込みより工事費等がかなりかさんだという報道がありました。
建築資材などの高騰や人件費なども含めてかなり高騰していましたが、大阪万博に関しては何とか黒字になったそうです。
イベント関係で言うと収入金額はある程度見込めるのは計算しやすいのですが、経費が膨らんでいくと収支としてどんどんマイナスになっていきます。
その部分を改善しようと思うと経費を削るよりかは収入を増やすという方向に考える必要が出てきそうです。
ランナーからの収入を増やそうと思うと、大会参加費を増やすかランナーの数を増やすかです。
実際私がランニングを始めたのは6年ほど前ですが、その時から比べても大会参加費は年々増加しているように感じます。
特に都市部で行われるマラソン大会については、規模がものすごく大きくなっているというわけではないのですが、大会に参加する費用はどんどん高くなっています。
では、この部分を改善しようと思うと、何か手立てがないかというふうに少し考えてみます。
大会以外で、付加価値を見出せないか
前段ではマラソン大会の本番当日の収支だけを考えてみました。いろんな大会運営経費があって、収入があって損益を計算することになります。
仮にこれがマイナスだとすると、基本的には大会運営の本部で赤字補填をするか、自治体から赤字補填の分(税金)を拠出してもらうことになることが多いようです。
なので、最悪でもトントン〜少しプラスにして来年に持ち越すくらいの方が、大会を維持・運営していく形のためには必要なことかもしれません。
そう考えると、大会そのものだけで収支を増やしていくことに加えて、他に大会以外で付加価値を生み出せるものがないかということを少し考えてみます。
先日とあるウェブ記事を読んだのですが、ニューヨークシティマラソンの記事で面白い内容を見かけました。
ニューヨークシティマラソンはやはり世界でもトップクラスに有名なマラソン大会なのですが、そのマラソン大会の収支において大会以前にランニングスクールやコーチングというイベントをたくさん仕掛けているようです。
またアプリなども使ってそういったことを周知したり、アプリで収入を上げるということもやっているようです。
大会そのものだけではなく、そのマラソン大会に参加する意義とか意味をそれぞれランナーは持っていると思いますので、そこの部分について、フォーカスしてより意義を高めてもらうことが付加価値になっています。
大会参加に対してよりポジティブになってもらうためにいろんな施策も考えることができるでしょう。そういったことも1つ選択肢になるのかなあと思いました。
実際わたしもそういったものがランナー向けに用意されているのであれば参加してみたいと思いました。
またこれは全く別の話ではあるのですが、公営銭湯の収支を改善するために、お風呂以外の部分で付加価値をつける試みというのもウェブの記事で見かけました。
公営銭湯というのは入浴料というのが決まっていますので、どこかで付加価値を上げなければ収入が増えづらいと言えます。
最近はサウナを併設してそこの部分で集客を上げるという試みをよく見かけますが、そこにフォーカスすると逆に違いを生み出しづらいという部分もあるようです。
他と同じことをしていると良くも悪くも埋没してしまって没個性的なものになるともいえるでしょう。
ウェブの記事によると、例えばその銭湯そのもののファンを増やしたり、サウナがないことによるメリットをいかに発信し、集客につなげるかということを試しながらやっているようでした。
付加価値をつけるというのは言葉で書くと簡単ですが、なかなか難しいものです。
特に銭湯の事例においては、最近はサウナがないと銭湯に行かない、スーパー銭湯に行くのはサウナがあるからだという人の方が多いくらいなので、サウナがないことによるデメリットは相当に大きいように感じます。
それでもその銭湯は少し収益が改善してきているという話を見かけましたので、いかにお客様に魅力を感じてもらえるような付加価値を見つけていけるか、提供できるかというのは、どんなビジネスやイベントにおいても同じだと感じています。
まとめ
マラソン大会も銭湯も、本番の大会や本業だけでは収支改善が難しい時代になってきています。
参加費や料金を上げるだけでは限界がありますし、経費削減にも限度があります。
大切なのは、本業の周辺で新しい価値を見つけること。ニューヨークシティマラソンのような事前のコーチングプログラムや、サウナのない銭湯が独自の魅力を発信する取り組みなど、工夫のしどころはありそうです。
来年の京都マラソンを走る際には、ランナーとして楽しむだけでなく、大会がどのように収益を確保し、持続可能な運営を実現しようとしているのかにも注目してみようと思います。

