以前から税理士業務を円滑に進めていくにはお客様の協力が欠かせないと感じていましたが、先日それを改めて感じるニュースがありました。
営業活動そのものにも影響するのでその感覚やスタンスは重要度を上げておきたいです。
資料が来ない、連絡がつかないは黄色信号
有名なユーチューバーに国税局の査察がどうやら入ったようで追徴税額等がかなりの金額になったようです。
ただの申告漏れというわけではなく税理士のせいだ、という動画を流したことでより事態が広く知られることになります。
ユーチューバー側の主張としては申告をしなかったのは税理士のせいだというのが主な内容です。
少しして税理士側からも主張が出てきて、いわく資料が来ない、顧問料の振り込みもなく解約した後すぐに査察が入ってしまった、ゆえに責任はないということのようです。
当事者ではありませんし詳細を把握できませんが、自分が税理士なので税理士側で物事をみてしまいますが、資料をいくら請求しても来なかったらやりようがないだろうなというのは率直な感想です。
いままでわたし自身はこのような◯◯がない(資料や連絡)というケースはなかったです。
資料が来ない、連絡がつかないというのは顧問であってもスポット相談でもあまり通常は想定しません。
その税理士が侮られていたのかもしれませんが、それで申告ができないというのはやはりどう考えても対応としてはまずかっただろうと。
顧問料の支払いも税理士側の主張では2年ほど支払いがなかったようですので、解約になったのもやむなしですがいささか遅かったのではないかなとも感じます。
税理士事務所は管理体制不備の面もあったかもなと。もし自分がそのような対応をされたら半年たたずに解約しているでしょう。
契約書にも資料の提供不足、提示がないことによる不利益はこちらで責任を負わない旨、記載を入れています。
またお互いに契約が解除できるという文言も盛り込んでいて一方的な形にならないように配慮しています。
お互いに主張していることが微妙に食い違いがあるのでどうなっていくのかは分かりませんが、少なくともビジネスの相手ではなかったと言えるでしょう。
そこに至るまでに何度かやりようがあったであろうにここまで流れてきてしまったのですから、税理士の立場で見るとガードが甘かったかもなと。
ではどうすればよかったでしょうか。
入口を狭くする営業活動は欠かさず
そういうこちらのことを甘くみている税務申告を侮っているであろうかたとのお付き合いを極力しないほうがよいです。
そういうひとに税務申告書を作って税金の計算をしても文句を言われることはあれど感謝されることもなさそうです。
言葉は悪いですが何でもかんでも仕事を請けていると自分の軸・スタンスと大きく外れた仕事やお客様とマッチする可能性がどんどん高まります。
そういう体制にしないようにするのが良いと考えています。
税理士なんか何万人もいるんだから会う人が見つかればいいですね、とお互いに思って営業活動するようにしています。
応援したくなるとかそういうのはまた自分の感情で別問題ですからその辺をどう自分に納得させるか。
今は事業が波に乗っていない苦しいときだ、というときでも信頼性があるかどうか誠実にお互いに接することができればよいのではないでしょうか。
お金さえ払えば言うとおりにしてくれたらいいんだという不遜な感じだと税理士も察するところがあるでしょうから税理士が仕事を請ける可能性は減ります。
どっちにしても今はひとりですし自然とキャパシティは見えてますので、無理して請けない、お断りすることもある、というのは意識しておきたいところです。
まとめ
連絡が取れない、資料依頼してもこない、というのは一発アウトという訳ではないですが黄色信号と捉えておいた方がよいです。
勤めているとそういう顧客の対応もやらざるを得ませんが、独立していれば自分次第です。
ガードを上げていてもすり抜けてくるケースはありますので、手札に解約のカードがあることは忘れずにいましょう。