税理士受験生の減少を考える

矢印

geralt / Pixabay

もうすぐ、税理士試験の合格発表です。

私も去年までは期待と不安で胸がいっぱいでした。

一方で税理士受験生は減少の一途をたどっています。

 

減少の経過

税理士試験申込者は、平成29年度試験(第67回)は昨年比で93.6%でマイナス6.4%です。

さらにその前年からは約3,000人程減少しておりますので、

毎年の減少傾向は続いています。

 

一方で、税理士の登録者数はここ数年、少しずつ増えています。

受験生が減っているのに、登録者数は増えています。

なんででしょうか?

 

それは税理士のなり方に起因する部分があると思います。

 

税理士のなり方

税理士になるためには主に3つのルートがあります。

一つ目は税理士試験に合格すること

二つ目は税理士試験に一部合格して、残りの科目を大学院の修士論文で免除してもらう

三つ目は税務署で長年勤務して試験を免除してもらう

が主なルートです。

 

税理士資格には定年がありません。

何らかの理由で資格がはく奪されない限り、

自分で税理士資格を返上しない限り、一生涯登録できます。

更新制度もありませんので、実質的には税理士の数は

やめる人よりも新たに登録する人のほうが多いので、税理士の数は微増を維持しています。

 

ただし、税理士業界は高齢化を迎えていますので、

あと何年かすると減る数と増える数が逆転して税理士の数も減り始める可能性が

非常に高いと考えられます。

日本の人口と同じ状況です。

 

敷居の高さ

税理士になることに対しては難易度の高さがあると思います。

専門学校では税理士受験期間は最短で2~3年のそれこそ輝かしいサクセスストーリーが

宣伝文句としてよく見受けられます。

嘘ではないでしょうがかなり誇張されています。

 

税理士の年齢構成をみればわかりますが、

20代と30代の税理士は全体の10%前後です。

2~3年で合格できるならもっと若い税理士が多くていいはず。

2~3年で合格できる人はほんの一握りで、

正直な話、仕事との両立も難しく、受験を途中でやめるひとはかなり多いとみられます。

 

まとめ

税理士が担う税務行政を維持するためには、一定数と一定レベルが必要でしょう。

税理士の数が減ることに対して税理士会も危機感を感じていますが、

数が減っても税務行政が維持できるシステムを考えることも必要かもしれません。

税理士になればメシが食える時代ではもうないです。

独立に向けて、税理士としての仕事の仕方を考えることも必要です。

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この記事を書いた人

ひとり税理士として独立開業した京都在住の税理士です。ひとり税理士としてチャレンジしていること、考えていることなどを発信していきます。

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