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昨日、突如としてアナウンスされ始めた
マイナンバーカードを健康保険証代わりに使えるようにするってハナシ。
マイナンバーカードを持つ身として考えてみた。
そもそも需要はあるのか?
マイナンバーカードが健康保険証代わりに使えるんだ、ラッキーってなるひと
今の日本にどれくらいいるのかな?
っていうのが最初にぼくがこのニュースに触れたときの第一印象です。
日本は国民皆保険制度といって、基本的にすべての国民が健康保険に加入している状態です。
ゆえに健康保険証をみなさんがもっている、と仮定して。
今の健康保険証の代わりにマイナンバーカードを持つのか、というと
まあそんなことはないでしょう。
少なくともぼくは健康保険証の代わりにマイナンバーカードを使えるようになっても
「ふーん」ぐらいで済ませるつもりです。
その理由を考えてみると
- マイナンバーカードの普及率は10%以下
- そもそもマイナンバーカードを持ち歩かない
- 今の健康保険証に不便を感じない
- 電子証明を使う機会が確定申告以外にない
- 証明書の顔写真はイケてない(普段の顔がイケているかどうかは置いとくとして)
- 情報の管理が甘そう
- もし落としたら大変そう
などなどです。
少数意見を取り入れることは民主主義の大事な側面ですが、
それと需要と供給のハナシは全く違います。
あまりにも採算性が合わないような気がしてなりません。
システム構築費用もバカにならない
国民の医療情報をつかさどるのは
社会保険診療報酬支払基金と国民健康保団体連合会の2つです。
この2つが皆さんの診療情報を審査しています。
よって、マイナンバーとこれらの審査機関とを結びつけるシステム構築が必要です。
診療報酬について管轄は厚生労働省ですが
このシステム構築費用は相当な額になるはずです。
調べてみると予算として計上されているのは243億円。
はたしてここまでして国民の診療情報とマイナンバーを紐づける意義があるのか
はなはだギモンです。
マイナンバーカードは持ってるけど、健康保険証は忘れました、とか
マイナンバーカードは持ってるけど、転職の手続き中で健康保険証がありません、とか
マイナンバーカードは持ってるけど、健康保険証は落としました、とか
こんなシチュエーションあるかな。
では以前、医療機関に勤めていた身としてメリットを考えてみると
- カードリーダで読み取るので保険証のコピーを取る必要はない
- 何らかの理由で保険資格が切れている人の場合、窓口負担割合100%が判断できる
ぐらいなもんです。
マイナンバーの管理が大変、というデメリットはかなり絶大なデメリットです。
(デメリットに「絶大な」という形容詞を初めて使いました(笑))
マイナンバーカードと健康保険証の情報がリンクしたからと言って
診療情報の審査精度があがったり、迅速化するわけではないでしょう。
こうすれば普及するのでは?
税理士の立場として、たとえば
マイナンバーカードと健康保険証をリンクさせることで、
こんなことが出来ればいいなって思うことがあります。
「医療費を自動で集計してくれたらなぁ」ってこと。
ご自身で所得税の確定申告時期に医療費の集計をしているかたは
これは大きくうなずいてくれるかもしれません。
薬局のお薬や交通費はまた別で集計する必要がありますが、
マイナンバーカードを医療機関に提示して集計した医療費が
医療費明細として確定申告書を作る際に自動で紐づく。
これ良くないですか?
税理士はみんな賛成してくれる。。。ハズ(笑)
少なくとも、今年の確定申告から開始した、「医療費のお知らせ」のような
メチャクチャ中途半端な制度よりよっぽどマシです。
こんなこと言うたら怒られるかもしれませんが
医療費の集計ってただの単純作業なんですよね。
出来ることならあんましやりたくないのが本音です。
他にもマイナンバーカードを健康保険証代わりに提示したら
医療費が安くなるとか。(これはやりすぎか)
なんにせよ、ここまで普及していない状態で
出来ることを増やしても、誰得のハナシなわけで。
まずは普及率の向上が急務な気がします。
まとめ
たまには時事ネタでブログを書いてみました。
この「マイナンバーカードを健康保険証として使るようにする政策」は
たぶん止まることなく進んでいくでしょう。
住基カードの二の舞にならなければいいのですが。