おはようございます、京都の所属税理士takasago(@co_develop)です。
先日、同い年の税理士さんと飲んだ機会にブログのハナシになり
税理士試験のことをブログに書いてもなぁ、という流れになりました。
そういえば、税理士試験のコトをブログに書く理由を書いてなかったなと思い
今回はそのあたりをお伝えできればと思います。
情報のひとつとして
ぼくが税理士試験を勉強しはじめたのが、今からおよそ12年前の2006年ごろ。
いまでこそこうしてブログをやっているけれど
当時はTwitterを見たりブログを見たりをすることはぼく自身は基本的になく。
そもそもiPhoneだって2006年に初代が発売です。
税理士試験の情報源としては、専門学校と受験専門誌でした。
そこから10年ほどたち、いまではいろんな媒体でいろんな情報を
目にすることができるようになりました。
受験生にとってやはり大きな情報というのは
合格した人が何をしていたか、どうしていたか、を知りたいと思うのは
自然なコトだとぼくは思います。ぼくもそうでしたし。
ズバリ、ぼくが税理士試験のコトをブログにしたためるのは
情報提供としての側面が強いからです。
税理士の資格はとってしまえばこちらのモノです。
少しでも受験生に資することがお伝えできればなと。
受験生にはイロイロな情報に触れて
ご自分に合うやり方などを試していってもらいたいです。
税理士も悪くないよ
ぼく自身は今年34歳になります。
世間的にはそれなりの年齢かと思いますが
税理士業界ではまだまだひよっこというか、若造です。
そして業界自体は超高齢化してきています。
税理士は今後10年で仕事がなくなるとか
受験生が毎年物凄い勢いで減少しているとか
ネガティブな情報があふれています。
ぼく自身は税理士になってたったの1年半ぐらいですが
それでも税理士って悪くないな、と思っています。
勉強しているときにはなんでこんなことしてるんだろ、
って思ったことも一度や二度ではありません。
資格を取ったら取ったで、食えない資格だとか言われています。
でも、業界自体がクラウドを取り入れたり、超高齢化でリタイヤする先生もいたりで
若い税理士にはまだまだチャンスがあるとぼく自身は思っています。
なんてったって税理士の平均年齢は60歳以上と言われていますから。
要は税理士になってからのやりようなのかなと。
そのやりようを自分自身で実現していくための独立でもあります。
合格した後の選択肢が増えている、という意味では
税理士業界は過渡期だとぼくは思っています。
そして多分、ぼく自身は独立した後には
税理士試験のコトを書く機会は減っていくと思っています。
ぼく自身は独立したことについて、体験したことについて
ひとりで税理士やって独立するとこんな感じなんですよ、
っていうのをお伝えしていきたいと考えています。
何より税理士の仲間が増えてくると嬉しいですし
それが同世代だともっと嬉しいです。
受験生からすると一足お先に税理士になれたので
一足お先に独立して失敗も成功も共有できればいいなと。
各科目のかかった時間
先日、Twitterのタイムラインを眺めていると
税理士試験で合格までにかかった時間がしりたい、というツイートを見かけました。
かかった時間をそういえば計算したことがないなと思ったので
参考になればと思い書き記します。
[alert title=”注意”]正確に時間をはかっていたわけではなく、
受験生当時の生活リズムなどから、おおよそこれぐらいは勉強していた
というアバウトな数字になることをご了承ください。
ただ、メチャメチャ外れていることはないと思います。[/alert]
受験1年目
簿記論と財務諸表論:大学2年生の秋から3年生の夏まで
月曜日から土曜日までは昼間勤務で夜学校の合間に税理士試験の勉強。
通勤通学の電車内で45分×3回(自宅→職場→大学→自宅で矢印のとこが電車)
+アルファで自宅と大学の授業後に合わせて80分ほど。
日曜日は6時間ほど自宅学習と考えると、一週間でおよそ1650分=27.5時間。
9月から本試験の8月までを11ヵ月と考えおよそ47週間。
47週間×27.5時間=1292.5時間でおよそ1300時間。
簿記と財務諸表論の2科目受験なので1科目あたりでいうと650時間。
合否判定は簿記論が合格、財務諸表論がA判定でした。
受験2年目
財務諸表論と消費税法(受験はしていないです)大学3年生の秋から4年生の夏まで
卒論のゼミが開始したこともあり、受験勉強の割合が減少。
財務諸表論については前年と同じように勉強していて
消費税法は税法に慣れるための独学だったので勉強時間としては減少しました。
財務諸表論は前年を参考に、不合格だったので少し増やして700時間ぐらい。
消費税法は200時間ぐらいでした。
前年からの1300時間からの減少分400時間は卒論と就活に消えているかと。
合否判定は財務諸表論合格です。
受験3年目
法人税法:大学4年生の秋から医療法人勤務1年目の夏まで
消費税法はとりあえず後回しにして、法人税法を勉強し始めました。
法人税法がとれれば転職して残りを取ればよいと
安易に考えていたからです。ここから地獄が始まります(笑)
初年度は基本的にはほとんど理解力が備わってなかったと思います。
ボリュームの多さに完全に面喰い、講義をこなすだけで精一杯でした。
月曜日から土曜日は勤務後に一日に2時間程度。
休日の場合は6時間程度を自宅学習。
当直中は税理士試験の勉強はしていませんでした。仕事を覚えるだけで精いっぱい。
一週間の勉強時間はおよそ2時間×6日+6時間=18時間
47週×18時間=846時間ぐらいです。
合否判定はCでした。合格している気配はなかったので、でしょうね、という感じ。
受験4年目
法人税法:医療法人勤務1年目の秋から医療法人勤務2年目の夏まで
仕事にもだいぶんと慣れてきて、勉強に割く時間が増えてきました。
勉強の理解度でいうと計算問題はだいぶんと点が取れるようになりましたが
理論がまだまだ勝負できる状態ではなかったと、いまにして思います。
当直が月に6回だとして、当直中にも勉強し始めたので
当直中+当直明けでおよそ8時間の勉強。
当直勤務は当直+明け+休日の1セットが基本だったので
明けの翌日の休日に6時間の勉強。通常の休日も6時間、通常勤務日が2時間。
このサイクルが月に6回×3日=18日、休日がプラスで4日、通常勤務が8日。
これで18日+4日+8日=30日でひと月。
(8時間+6時間)×6サイクル(当直分)
+6時間×4日(当直セット外の休日)+2時間×8日(通常勤務)=124時間
11ヵ月×124時間=1364時間
このうちの計算と理論の配分は半々ぐらいです。
この時に税法試験ではもっと理論で点を取らなければ合格できないと感じて
勉強の配分を変更し理論重視になりました。
合否判定はA判定でした(泣)
受験5年目
法人税法:医療法人勤務2年目の秋から医療法人勤務3年目の夏まで
理論をとにかく勉強しました。
計算問題は比較的平均以上がとれている状態が続いていたので
とにもかくにも理論勉強に明け暮れました。
勉強時間としては前年と同じく、1300時間ぐらいです。
ただし割合としては計算:理論=1:3.5ぐらいです。
結果的にはここで法人税法に合格し転職しました。
受験6年目
消費税法:医療法人勤務の最後の年明けから税理士法人勤務1年目の夏まで
ここで生活リズムがまた変わることになりましたが
通勤に1.5時間ぐらいかかっており、電車で1時間ぐらいをとれたので
勉強のメインを電車でしていたイメージです。
年明け後3月までは医療法人勤務で3ヵ月×124時間=372時間
4月から本番までは平日往復2時間電車のなか+朝に1.5時間
土日は合わせて10時間ぐらいの勉強時間だったので
(2時間+1.5時間)×5日+10時間=27.5時間/週
372時間+27.5時間×16週間=812時間
かつて200時間を独学で勉強したのがイイ形で作用したように思います。
計算については結構覚えていましたし、
実務を経験できたのは大きいかもしれません。
結果としては消費税法合格です。
受験7年目
相続税法:税理士法人勤務1年目の秋から税理士法人勤務2年目の夏まで
消費税法は合格しているかなという気配があったので
秋から初学で大原の梅田校にて相続税法の通学で通い始めました。
実務でバリバリ申告書を書いていたので計算自体は
まったく問題なかったんですが、ここでもつまづいたのが理論。。。
相続税法の理論問題はべた書き、いわゆる覚えたことをそのまま書く、
という問題が非常に多く、覚えきらないと勝てません。
そこに非常に苦戦しました。
引越しをして完全に朝型現況に切り替えたので
勉強時間は平日に2.5時間、土日に10時間ほど。
2.5時間×5日+10時間=22.5時間/週
47週×22.5時間=1057時間。
結果はA判定でした。
時間のかけ方としては計算:理論=1:2.5ぐらいです。
それでも理論がダメでした。。。
受験8年目
相続税法:税理士法人勤務2年目の年明けから税理士法人勤務3年目の夏まで
もっと自分で勉強する時間が必要と判断し、通信講座に切り替えました。
経験者なので年明けからの受講です。
勉強時間としては1月から7月まで
30週×22.5時間=675時間。
計算と理論の割合は計算:理論=1:4としました。
表にしておくと
年度 | 科目 | 時間 | 合否 | 備考 |
受験1年目 | 簿記 | 650時間 | 合格 | |
受験1年目 | 財務諸表論 | 650時間 | A判定 | 計算:理論=1:1 |
受験2年目 | 財務諸表論 | 700時間 | 合格 | 計算:理論=1:1 |
受験3年目 | 法人税法 | 846時間 | C判定 | 計算:理論=1:1 |
受験4年目 | 法人税法 | 1364時間 | A判定 | 計算:理論=1:1 |
受験5年目 | 法人税法 | 1300時間 | 合格 | 計算:理論=1:3.5 |
受験6年目 | 消費税法 | 812時間 | 合格 | 計算:理論=1:2 |
受験7年目 | 相続税法 | 1057時間 | A判定 | 計算:理論=1:2.5 |
受験8年目 | 相続税法 | 675時間 | 合格 | 計算:理論=1:4 |
おそろしいくらい時間かかってますね(笑)
あくまでぼくの場合はこれぐらいやらないと受からなかったということ。
ただし、専門学校の合格に必要な目安時間は最小だとぼくは思っています(笑)
ぼくの場合は圧倒的に理論に苦手意識があったので
理論をかなりやりこんだという記憶が鮮明です。
実務的にどうかと言われると、
計算とか申告書作る作業って、正直パソコンでサクサクできちゃうんですよね(笑)
であればお客さんと話したりするときには理論が頭に入っているほうが
イイのは良いです。
ぼくの周りでは理論がメチャクチャ得意だった人がいなかったので
あまり参考にはならないかもしれませんが
税理士試験はやはり理論がネックになりがちかと。
まとめ
ぼくの経験上、計算問題は1年ないし2年やればある程度のレベルまで
点数が取れるようになります。
税理士試験の勉強は長丁場なコトを今回まとめてみてあらためて強く感じました。
一番大事なコトはあきらめないことです。
合格してしまえばイヤでも(笑)勉強はするので
科目への強いこだわりも必要ないと個人的には思っています。