おはようございます、京都のひとり税理士ジンノです。
昨日は一日中外出で、朝に1本ブログを上げたっきりで、22時には就寝、4時半起でルーティン後、このブログを書いています。
誰に言われるでもなく早寝早起きしてブログを書く。
それはぼく自身の事業を進めていく上での工夫で、なおかつ違いでもあります。違いをどこで出していくのか、というのは独立後意識しているコトでして、対お客様はどうだろうかと思うことがあります。
業務標準化という名のワナ
税理士事務所は労働集約的なカタチに行きつく傾向が強いです。人手、つまりはマンパワーで解決しようとすることが多くなりがち。
でも今は税理士事務所は人手不足感(ココがポイントでほんとに人手不足?)がまん延しています。税理士受験生も減っていますし、今後10年でなくなる仕事のひとつに税務申告代行者(日本では税理士と訳されている)が取り上げられた影響もあるかもしれません。
今後、なくなるかもしれない仕事で、なおかつ業界内の税理士の平均年齢も究極的に高く、大学新卒や20代の転職者にとって魅力があるようには見えないと思われている可能性もあります。
繁忙期はあるわ、番頭さんは仕事を教えないわ、怒られるわでイイことがないようにみえてもしかたありませんね(笑)
残業代がでるならまだしも支給されない(ように見える)、仕事に追われすぎて試験勉強どころではない、時間がない、遊べない、とないないづくしです。
しかも税理士になろうと思っても税理士試験に合格するまでの平均年数は10年超とか。ぼく自身もちょうど10年で合格しました。優秀であればもっと短い年数で合格する方もいますが、税理士全体でみる30代の税理士はなんと10%ほど。
それを考えてみるだけでも、税理士になるのには時間がかかる、というのはよくわかる話です。しかも途中で受験をあきらめて辞めてしまう方も多いですから。
それはさておき、人手不足に悩まされる税理士事務所の何と多いコトか。ぼく自身はひとり税理士ですから人手も何もないですがね。
人手不足に悩まされるとどうなるかというと、仕事を誰でもできるようにしよう→若いひと・未経験の人が入ってきてもすぐに仕事ができるようにしよう→業務を標準化して誰でも仕事ができるようにしよう!というバイアス(傾向)が強くなります。
そうするとどうなるかというと、業務手順をマニュアル化する、工程表をつくる、業務進捗表を作る、など製造工場のようになっていきます。
イメージでいうとベルトコンベアーです。
月次資料を回収するひと
↓
月次資料を入力するひと
↓
試算表をチェックするひと
↓
試算表を郵送するひと
↓
試算表を報告するひと
というふうに工程を分けてやっていくことになります。月次資料(領収書とか伝票とかですね)を流していって最終的に試算表を報告する段階まで機械的にできるようにする。
ぼくはコレ自身はすごくいい試みだと思うんです。ただ、それが対お客様に対してやってイイのかどうか、というは考えものかなと。
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対お客様は工夫をしてこそ
例えばお客様で飲食店を経営しておられる方がいらっしゃるとしましょう。
お客様には棚卸の重要性を常々お伝えしていますが、今まで棚卸というのは年に一回決算の時に残業してやる、という悪いイメージしかなく、お客様にとってメリットがない、そう感じていたとしましょう。
でも税理士の立場、報告をする者の立場としては毎月棚卸をしてほしい。
棚卸をしてくださいね、というだけなら税理士だけではなく誰でもできます。それこそAIにもできます。
それをお客様にどう説明しやってもらうのか。棚卸の重要性や手順、効率化、場合によっては棚卸表をつくってあげてもいいでしょう。そこは工夫をしたいところですし、工夫しなければいけない部分です。
そこの部分を標準化するということはただ単に試算表を郵送して、数字の報告をするだけになってしまう可能性もあるわけです。で結果として自分は棚卸をするように指導したが、やらないのはお客さんだからそれ以上は知らない、と。
[memo title=”MEMO”]「指導した」この表現をお客様に対して使う税理士事務所の担当者は意外と多いです。まるで税務署です(笑)
ぼくにはこの指導するという表現はしっくりきませんので使いません。この言葉を使う担当者は無資格でなおかつ外では先生とお客様から呼ばれている確率が高いというのはぼくの思い込みかな?
[/memo]
さらに言うとお客様から例えば、今後は試算表は紙ではいらない、CSVデータでメールしてもらえないかという依頼があったとします。業務標準化が強く進み過ぎている場合、試算表は紙で送るモノ、渡すモノ、CSVデータは出せない、メールにも添付できないという返事をする可能性もあります。
そこで必要なのはなぜお客様がCSVデータで試算表をしかもメールで欲しいのか、を考えることです。
もし今のぼくがこういう依頼をお客様から受けたとしたら、「自分の報告が甘いのではないか、お客様はもっと違う点を分析したりしたいのではないか」と考え反省するでしょう。
税理士事務所の対人業務、対外業務はサービス業であって、標準化すべきものではないとぼくは思っています。
それこそお客様の悩みやお困りごとを一緒になって考え、税務や会計で導けることならアドバイスをし、そうでないなら少なくとも元気づけたり励ます、というのは大切にしたいところです。
税理士が殿様商売といわれていたのはもはや過去のコトです。
昨日一日、外出していろんな人とお話する機会がありましたが、あらためて税理士としてのほかの方との違いを考えるコトが多い穣(みのり)ある一日でした。
まとめ
昨日は保険屋さん、お花屋さん、お酒屋さんの方とお話する機会があり、改めて確定申告についてのあやまった認識や、税理士というのが外からみてどういう印象なのか、アイディアマンの思考回路を少し知ることができました。
自分の違いをオモテに出して、ブログを書きつつ外にもベクトルを向けて活動していきます。