税理士事務所に転職して驚いたこと

税理士事務所に 転職して驚いたこと

税理士事務所の勤務経験があって、ほかの業界から転職してきたものとして驚いたこと、面食らったことは少しありました。

勉強をする環境を含めてどういうところで働くか、何を優先するかは転職に際して考慮したほうがよいでしょう。

転職の際には税理士登録の直近五年の実績ぐらいは聞いておいたほうがいいです。

 

目次

繁忙期と年間スケジュール

会計ソフトすらも触ったことがなかったのでオーソドックスな会計事務所の年間スケジュールを把握していませんでした。

 

転職した時期は4月からでしたので確定申告の大変さを全くしらず、また3月決算法人が多いとかも全然知りませんでした。

 

なので4月は内勤でコツコツと会計ソフトに慣れるための仕事が多かったのですが、5月に入ると決算と申告を少しやり始めます。

 

そこで面食らったのは勉強してきたことがこんな風に申告書に反映するというか、こういうことだったんだなと感じたことです。

 

転職したときには簿記論と財務諸表論、法人税法を科目合格していたのですが実際に仕訳をきる、決算整理をする、申告書を作るということがありませんでした。

 

あー、こういう風につながるんだなと勉強してきたことと申告実務がつながる感覚があったというか。

 

法人決算と言っても会社法の話や、株主総会の議事録の話とかいろいろとケアしないといけないことがたくさんあるなと。

 

法人税法も全く実務経験がない中で勉強を重ねてなんとか合格をしましたが、実務経験があるとイメージが付きやすいという点では有利かなと。

 

申告実務の経験が試験に関係あるかどうかはよく受験生から聞かれますが、全くないよりかは経験があったほうがとっつきやすいのは確かです。合格しやすいとかとは別です。

 

年が明ける前から確定申告が大変そうだぞという感覚は周りから感じていたのですがいざ始まってみると想像以上に大変でした。

 

何が大変かというと仕事が全然終わらないわけです。

年末ぐらいから年末調整、法定調書関係、そのまま確定申告で春までという流れですが、土曜日の出勤もあり、残業も増えました。

 

医療法人時代には事務当直という仕事を病院で交代でやる、みたいな感覚でジョブ型といった感じでしたが、繁忙期になって確定申告が始まると「その人しかわからないお客さんの仕事」が結構あるなというのは意外でした。

 

残業自体は医療事務時代はなかったのと、残業があっても勉強は待ってくれないので試験勉強を続けるためにどうしたらよいか、というのをよく考えていました。

 

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税理士試験への取り組み方

大学を卒業して医療法人の医療事務として勤務しながら税理士試験の受験を続けていました。

 

その間およそ4年間で、周りに受験生がいない状態で、なおかつ通信講座で受験していましたのでいわゆる受験仲間がいないわけです。

 

簿記論、財務諸表論と合格して就職し、医療法人での勤務時代に法人税法を受験してなんとか合格して転職しました。

 

転職した理由としてはキャリアチェンジというのも大きかったのですが、将来的に税理士登録することを見越すと実務経験2年間が必要なことはわかっていましたのでそのためでもあります。

 

ここでようやく会計税務の実務に触れることになり、同僚に税理士試験を受験する人がいることになったのです。

それまで全く受験仲間がいなかったので自分の勉強の仕方やペースを人と比べることはありませんでした。

 

むしろそれは自分にとって良いことかもしれませんが「人のふり見て我がふりなおせ」ともいいますし、もしいい方法があれば取り入れたいと思っていました。

 

これは税理士事務所のスタンスや同僚や上司の年代などにもよるかなと思うのですが、意外に思ったのが受験をあきらめた人が結構いたことです。

 

仕事が忙しかったことは要因の一つかもしれませんが、税理士になるという目標で税理士試験をあきらめることなく受け続けていた私としては結構驚きでした。

 

もっとみんな続けていると思っていたのですがそうでもないということが現実として目に見えると、やはりしっかり勉強を続けて受からなければいけないと思いを新たにしたのを記憶しています。

 

進む道が違ったということならそれでよいと思いますが、4科目でとどまっているという人もいましたし、繁忙期の忙しさで専門学校の申し込みはしていたけれど結局スケジュールを取り戻せないとか、まぁいろいろあります。

 

あきらめる人も結構いるんだなというのが私の素直な感想です。

 

kindleで本を出しました。

 

試験休暇と年末年始

それまでは年末年始もなんなら土日もお盆休みも関係ない病院での医療事務仕事(事務当直もありましたので)でした。

 

転職してきてまず驚いたのが繁忙期以外は土日が休みなことに加えて、年末年始も1週間ぐらい休みだったのと、お盆も各自で休みを取っていたこと。

 

受験生だったときは勉強できるぞと意気込んでいて実際自習室などに通ってそれこそ朝から晩まで勉強していました。

 

試験休暇もあって試験の前に有給などと合わせて1週間ほど休みを取ることができました。以前はというとそういうことはあまりなく、休んでも前々日ぐらいからでそれも当直明けとかでした。

 

それでも何とか法人税法に合格できたのはそれだけ必死でなおかつ時間をたくさんかけていたから。

 

時間が余っている場合にはこれほどやらなかった可能性もありますが。

そんな驚きというか受験勉強をするには環境が大事だなということを実感したものです。

 



まとめ

転職をするときには給料が下がることも覚悟していましたが、実際には前職の当直を含めても私の場合は同じぐらいの手取りになっていました。もともと多くなかったとも言えますが。

勉強をすることと実務経験を積むこと、また生活を維持すること、いろんな要素があって難しい部分もありますが何を優先するかはとても大事です。

勉強の環境整備も要素に入れて転職を検討したほうがよいです。仕事が忙しすぎて勉強時間が取れずに試験から遠ざかる、またはフェードアウトするというのは本末転倒ですので。

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この記事を書いた人

ひとり税理士として独立開業した京都在住の税理士です。ひとり税理士としてチャレンジしていること、考えていることなどを発信していきます。

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