私自身は月次顧問やスポット相談の仕事もしながら相続の業務もしており、どれかに絞っているという状況ではないです。
これから独立開業をする相続業務をやりたいなと考えている税理士さんにとって資金繰りは大きく気になるところかなと思いますので具体的な数字は控えつつ、出せる範囲で資金繰りのここまでの推移を出してみます。
グラフの青は入金 赤が支出 緑の折れ線が残高です
2019年の実績
3月にどんと入金がありますがこちらは融資がおりて入金がされたことに伴います。4月、5月の出金が多いのは会計ソフト(MJS)のシステムを導入して支払を済ませたからです。5年契約でした。
4月の入金は確定申告の受注によるもので、独立してすぐに開業のご案内をしたことによるご依頼があったため、その業務が終わっての入金です。開業のご挨拶がすぐに実を結んで驚いたのを今でも思い出します。
6月の入金は相続税申告業務の報酬が入金になったことによります。
独立時の融資計画では相続税申告は2019年は受注しない計画を立てていましたが、実際は法人の申告よりも相続税の申告のほうが先の受注でした。
司法書士さんからのご紹介でいろんな税理士さんから断られてしまった案件でしたがフタを開けてみるとそんなややこしいということもなく相続人の方も穏やかでスムーズに終わりました。
基本的には出金のほうが多かった印象ですが開業に伴うもの以外の支出は基本的に税金関係です。フローとしては2019年5月、8月がきつかったです。
9月、10月、11月は相続税申告の報酬、着手金が入金となって、年末は少し穏やかに迎えられそうで安心したのを覚えています。
2020年の実績
2020年に入っても月次顧問の仕事は全然という感じでスタートしました。
3月の入金は確定申告と相続税申告が重なったことによるもので、6月は顧問のお客様が1月からの分がまとめて入金となりました。
営業活動自体はほそぼそと続けていて、この年は法人成りのお客様がいらっしゃったので月次顧問は少しずつ増えて生きていました。
コロナ禍による影響は軽微で外出する機会がかなり減ったので出金が減りずいぶんと資金繰りが改善した印象です。
異業種交流会に2019年は参加していたので諸会費や交際費関係がかなり多かったのですがそれが丸ごとなくなり、でも事務所ホームページからコツコツとお仕事の依頼があることで2019年のようなピンチはなかったです。
相変わらずポンっと入金が多いのは相続業務によるものです。
2021年の実績
2021年はそれまでの営業活動が実り始めて月次顧問が一番増えた時期です。関与してから最初の法人決算などもあり業務内容としてはハードでした。
出金がポンと出ているのは税金関係が主で出金自体はかなり抑えめです。
相続業務が売り上げに占める割合が高いので還付ではなくここまでずっと所得税は納税になっています。
2021年の12月に大きな仕事を失注しましたが11月は入金が過去最高額だった(相続業務の完了タイミングが重なったことによる)ことと、月次顧問の件数が増えたことによりまぁそんなこともあると引きずることもありませんでした。
独立をすると安定しないことが多かったですし安定が目的だと独立しないほうがいいですが、現実的な問題として毎月資金繰りにあくせくすることがなくなり営業活動にも余裕をもって臨めるようになりました。
簡単に言うと無理して受注しなくなったということです。
2019年から2022年4月まで
こうして2019年からの残高を眺めてみると浮き沈みは当然ありますがおおむね右肩上がりです。
資金繰り的なことでいうと2021年になってからがやはり安定してきたというか心配が少なくなった印象です。
月次顧問の仕事(月々と決算)、確定申告(個人)で食べていくには十分な金額になっているのでいろんなところで心の余裕を感じます。
以前は休みを取ることに対する不安もあったり、こちらからお断りすることへの躊躇もありましたが最近は合うお客様としか仕事をしないという方向性に舵を切りつつあります。
まとめ
ここまでの資金繰りの推移をずらっと並べて振り返ってみました。
お金の余裕が多少でき始めてから趣味や仕事をセーブすることができていて現金な奴だなと自分でも感じます。
ご家族がいらっしゃったりするとまたこの辺りは違ってくるでしょうし、どういう仕事をするかでも変わってくるでしょう。相続をやるとかやらないとか、個人をメインにするとか、個人もやらない法人オンリーとかいろいろあります。
税理士業だけではなくコンサルティングなどをやるという方向性もあるでしょうし、資金繰りの様子も変わってきます。
それを見ながらどういう戦略を立てて実行していくかを考えられるのも独立後の楽しい部分ですね。