高齢化する業界の10年後を想像してみる

高齢化する業界の10年後を想像してみる

税理士業界は高齢化が言われ始めてずいぶんと経ちますが状況としては今のところあまり変わりがないように思います。

仮にいまから10年経ったらどうなるかなと想像してみます。

目次

平均年齢はあがる?

現状の税理士の平均年齢は65歳を超えていると言われています。

税理士業界の高齢化の一因と言われているのが税務署OBの先生方の存在です。

23年間税務署で勤務をすると税理士登録をする、という流れがありますのでそれによって定年退職等した税務署出身のかたの登録が多いと平均年齢は必然的に上がります。

また、税理士試験の難易度なども影響しているのか、受験生は減少傾向が続いています。

税理士の数は減っているのか?というと実は増えていて8万人を超えていますが、受験生は減っているのに税理士登録者が増えているというのは税務署OBの方の存在も比較的大きな影響があるでしょう。

税理士登録にあたって大学院で論文を書き科目を免除してもらうというのも今は増えているようです。

5科目をすべて税理士試験で合格し突破する合格者もかなり減っているようで今では貴重な存在になりつつあります

それでも平均としては10年間と言われたりもする受験生活で仮に30代で合格したとしても、業界においては30代の税理士登録者は10%前後と言われています。(つまり8,000人前後)

私が登録した2017年当時でも30代半ばだと業界としてはかなり若手、という感じでしたので今後もその傾向は続いていくでしょう。

税理士登録者としてそもそも60代以上で登録する人が比較的多い、受験生が減少する、ということにより10年後は平均年齢がさらに上がっていくと想像しています。

これをいまから登録する人はチャンスと見るかどうか。

平均年齢が高い業界で自分が若手に属するのを有利と見るか、後発組なので不利と見るかはどういう風に仕事をしていきたいかにもよります。

またお客様がそれを望んでいるかどうか。

私の場合はお客様の年齢層としては同世代ぐらいが多く、平均年齢も30代後半から40代前半ぐらいのレンジに収まっています。

お客様もじぶんと同世代がいいというかたもいれば、上の世代がいい、じぶんよりも下の世代がいいとかいろいろと感じ方も違ってきます。

後発組であることに変わりはないでしょうから、どう立ち回っていくかもこれからはより大事になってきそうです。

団塊世代の先生方の廃業は増える?

状況としては60歳以上の税理士登録者が最も多い状況です。

では10年後はどうでしょうか?

団塊の世代の先生方は2023年では75歳前後と推測されますのでそこから10年経ったとしたら?

80代半ばになっているでしょうから廃業している税理士も増えることが想像できます。

そういう税理士事務所から流出されてくる事業者さんは結構な数になる可能性があります。

やはり先発組の税理士事務所が抱えている顧客ですからそれなりに続いているところも多いでしょうし、続いているなら利益も出ていることが多いでしょうし。

そういうところからのお客さんから依頼があれば引き受けるかどうか。

キャパシティに余裕があればお引き受けすればいいですし、事務所のやり方を変えたくない、お客様にやり方を変えてもらうことに対する抵抗がある、という場合は無理して請けなくてもいいです。

独立している場合には依頼があったときに請けるか請けないかは所長である自分の一存です。

これは廃業等する事務所から顧客の紹介を受けていわゆる買取をすることも同じ対応でよいでしょう。

いろんな税理士がいていろんな考えがあります。

わたしの場合は今のところは顧客の紹介を受けて買い取る、紹介料を払う、税理士事務所を引き継ぐ、ということは考えていません。

アンマッチになる可能性も高いでしょうし、税理士紹介会社と変わらないかなと思いますので。

AIとの関係はどうなる?

AIが発展したらなくなる仕事と言われて久しいですが、10年後はもっともっとIT分野は進んでいるでしょう。

会計業界、税理士業界もその時代に合わせてパソコンでの会計になり、クラウド会計になりと形を変えてきました。

電子申告も割と早かったですし、今ではスタンダードになっています。

良いところはどんどん取り入れていきたいですし、それが比較的上手にできる業界なんじゃないかなと思っています。

いまクラシックなスタイルでやっている税理士事務所もいずれ廃業するときにはお客様は対応せざるを得なくなる可能性もあります。

またAIが発展してなくなる仕事があるならどんどん進めていってほしいと思っていて、年末調整や法定調書関係などは自動化してくれたら楽だなと思いながら年末年始を過ごしていました。

上手に付き合っていく、AIに任せることができるならそこは任せる、ということは10年後はもっと進んでいるでしょう。いや進んでいてほしいと願っています。

まとめ

平均年齢は上がるでしょうし団塊の世代の税理士の廃業も増えるでしょう。いまでも税理士会支部の研修会や支部例会に行くとやっぱり年齢が高いというのは正直言うと感じます。

税務署勤務のかたでもいまは退職を遅くして嘱託のような形で勤務を継続する方も増えてきているようですし、10年経つとピークアウトしてその後は平均年齢が下がってくるかも。

そんな時に自分は50歳手前ですからまだまだ仕事は出来る状態でしょうがしっかりとITやAI、今話題のDXなども取り入れていき、変化に柔軟に対応しつつ変化に強い体質の事務所にしたいなと考えています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ひとり税理士として独立開業した京都在住の税理士です。ひとり税理士としてチャレンジしていること、考えていることなどを発信していきます。

目次