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消費税のインボイス制度には反対だけれど内容が違う

消費税のインボイス制度は反対だけれど内容が違う

インボイス制度まであとひと月半ほどとなり、顧問先対応などもそうですがフリーランスのかたと会う機会があるとインボイス制度への賛成反対を聞かれることがあります。

SNSでもよくインボイス制度反対の意見を見かけますが、中身が違うように感じています。

目次

インボイス制度とはそもそも

インボイス制度が予定されたのはそもそも、軽減税率8%が導入されたときでした。

これまでの消費税率8%から軽減税率8%、通常の消費税率10%と複数税率が混在することになり、消費税部分を明らかにすること、納税なき仕入税額控除を排除することが目的でのインボイス制度の導入契機とされています。

消費税部分を明らかにすることは、実務をやっているとよく直面することで、請求書や領収書などに消費税率が記載されていないものというのはいまだに見かけます。

まぁ税率だけではなく宛名や発行者の情報も記載されていないものがありもはや領収書としての体裁を保てていないものもあります。

実際のところはそういう書類も多くあるのが現状で、これまではとりあえずこうだろうということで処理ができてしまっていました。

これをなくそうというのがひとつの目的だと考えられます。

建設関係の仕事をしている方はイメージが着きやすいと思いますが振込金額から「安全協力会費」などといった名目で取引先が勝手に差し引いて振り込んできていることがあります。

中小企業の税務会計では本当のこの手の商習慣から発生する勝手に値引き、勝手に協力会費といったことがまかり通っている現実があるのも事実です。

こういった消費税区分がよくわからないものを分かるようにしようというのは実務においても大切なことですから理解はできます。

またもうひとつの導入契機として納税なき仕入税額控除を排除しようというのがあります。

今までは免税事業者に対する支払いでも消費税部分が含まれている(実際含まれているケース、上乗せされているケースは普通にあった)ものとして取り扱って、相手方が免税課税に関わらず取引の種類で消費税の仕入税額控除が出来てしまっていた、というのが実際の現場の処理です。

いままではとにかく取引の種類のみで相手が消費税の課税事業者か免税事業者かを確認することなく、もっと言うと確認するすべもなく、請求書に消費税が記載されていればその金額を、記載されていなくても消費税部分があるものとして消費税の計算をしていました。

世の中には免税事業者というのはけっこういますがそれが今まで問題になっていなかったのは免税事業者制度があったことと、納税なき仕入税額控除が認められていたからです。

これを解消するための方法としてインボイス制度が導入されようとしてます。

反対だけど中身がちがう

ここで問題になってくるのが免税事業者はインボイス、つまり適格請求書を発行できないということです。

インボイス登録をすると課税事業者になってしまうわけですから消費税の申告と納税が必要になります。

これに対して免税事業者のかたを中心にインボイス制度反対!というのがこの春ぐらいから非常に声が大きくなってきているわけです。

インボイス登録も任意なわけですから登録しないという選択肢もありますが、登録しないと取引契約が更新されない、そもそも消費税部分を収受していない、益税などない、消費税の納税をしたら廃業、という主張がでてきています。

インボイス制度反対の免税事業者のかたの主張の本筋としては免税事業者いじめだ、というものが多いというのが個人的な印象です。

対して税理士会もインボイス制度には反対をしているわけですが理由が少し異なっていて、特に消費税を原則方式で計算しているところは処理が非常に煩雑になります。

それに対して事務的負担が重すぎるという意味での反対で、免税事業者に対しての支払いが納税なき仕入税額控除になっているなら免税点(いわゆる売上1,000万円)を下げればよいだろうというのが税理士会のインボイス反対の主旨です。

意味あいが全く違ってくるというのは分かっていただけると思います。

実際、いま税理士はクライアントにインボイス制度対応の説明と対応をしているわけですが、現場にいる者の一人として感じるのは「一生懸命対応したとしても事務処理が煩雑になるだけで得なことはなにもない」というのはクライアントからよく見聞きするはなしです。

免税事業者のかたがインボイス登録をして課税事業者になって2割特例で消費税の申告書を作るのとは事務的負担が大きく異なります。

だからどうということもないのですが、反対にも理由があって中身は全然違うということは知っておいてもらえればいいなと。

免税事業者のかたは自分の事業の見通しや現状から登録可否を判断するほかないと思います。もしいままで消費税部分を請求できていなければ請求することを取引先に交渉する、2割特例を適用して消費税申告と納税をする、2割特例が外れるのであれば簡易課税選択が有利なことが多いでしょうから選択しておく、というのが現実的な対応になるのではないかなと。

あくまで登録自体は任意ですから納得できないなら登録しないという選択もありです。

まとめ

私自身もインボイス制度には反対の立場です。ただそれは免税事業者いじめだから、という主旨ではなく

消費税の計算上は納税なき仕入税額控除は認めないという方向性は理解できる

免税点が問題なのであれば売上300万円を線引きラインにしてはどうか

原則課税事業者の事務負担は一般のかたには想像できないぐらい重たい

というのが私の考えです。ただそうはいってもインボイス制度導入が延期になることはもうなさそうにも感じるので粛々と対応していくほかありません

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この記事を書いた人

ひとり税理士として独立開業した京都在住の税理士です。ひとり税理士としてチャレンジしていること、考えていることなどを発信していきます。

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