会計税務の仕事をしていますと顧問先などで経理のかたと接する機会が多いです。経営者の中には売上を上げてくる営業部門を重視する方も多いですが、同じように経理部門が期待されていることも多いと私は考えています。
どんなことを経理部門に期待していけばよいでしょうか、整理してみます。
経理部門が期待したいこと
会社の利益を計算する算式は売上-仕入・経費=利益ですから売上を重視したい気持ちはよくわかります。
営業部門はダイレクトに売り上げに直結しますし目に見えやすいのも事実です。
私は経理部門は仕入・経費の部分を担っているので利益に影響を及ぼすことは営業担当と同じぐらい貢献していると考えています。
経理部門がおろそかだと利益が少なく計算されてしまう可能性だってあるわけです。
そのための経費申請だったり支払い管理だったりするわけです。
もっというと営業担当は資金繰りなど気にもしないでしょうが、経理部門は日々会社の資金状態を把握しているわけです。
そのため資金繰りを気にかけて必要があれば対策をし、会社のおカネ周りが上手に循環するような役目も担っています。
こうしてみると売上至上主義の会社であっても必ず経理部門はありますし、売上だけが大事というわけではなく、仕入経費も同じくらい大事に考えて経理部門の役割を高く評価している会社のほうが業績の伸びが良い印象です。
記帳代行をしているとお客様の経理部門を担っている状態ですが、こちらとの資料のやり取りから含めて意識が高いかどうかもわかります。
現場の対応として
最近この辺りの感覚というか経理部門がどう思われているかよくわかるのがインボイスをめぐる対応です。
小さいところで社長が経理をやっているところは置いておいて、比較的規模があって経理部門があるような会社だと、経理部門に対する風当たりが強いです。
インボイス制度が始まると領収書や請求書の確認事項が増えますので経理からその他に対してのリクエストが増えます。
請求書や領収書の確認、レシートの確認事項、新規取引相手の情報、手書き領収書の取り扱い、交通費などの取扱いなど多岐にわたります。
支払いがあるところには基本的にインボイスが絡んできますから当然と言えば当然です。
こういったことを経理部門を通じてアナウンスしていくわけですが、中にはものすごく反発するようなことがあったりもして、経理部門のかたが気の毒に感じることもあります。
社長や経営者のかたからでも一言いただけると良いのですが、そういうときにも経理が言ってるからではなくなんでこういうことが必要なのか。
正しい会計情報が申告に繋がりますし利益が出てこその事業継続なはずです。
もちろん仕入や経費を削るだけで利益が出るわけではなく売上が増える、仕入経費が減る、というのが理想です。
まとめ
インボイス対応でいろんなところの話を聞いていると「経理がまためんどくさいこと言ってる」と協力的でない社員もチラホラいるようです。
経理部門のかたは特にですが適切に処理をしようと頑張っておられますし、それが役割の一つですから経営者から必要なことなんだと改めてアナウンスしてあげてくださいとお伝えしています。
好きで細かくいってるわけじゃないですからね。