SNSでいわゆる「1人税理士」として活動している方の様子を見ていると、「不安でたまらない」「辛くてしんどい」といった話を見聞きすることがあります。
私も今はアルバイトの方に来てもらっていますが、資格者は1人で、基本的にアルバイトの方と一緒のタイミングで仕事をすることはありません。
そういう意味では、ほぼ1人でやっているといっても良い状態です。あまりそういった不安を感じたことがなく共感しづらい面があるのですが、どういう理由でそういう状態になるのか、少し考えてみました。
不安になる原因は何か
私も独立当初は確かに仕事がなくて困ったことはありましたが、だからといって「勤務に戻りたい」という気持ちは今のところまったく感じていません。
むしろ今の状態の生活が8年目に突入して馴染みすぎているくらいで、以前のように週5日・毎日決まった時間に勤めに行くというほうが、おそらく今の自分には無理な状態になりつつあります。
もちろん頑張ればできると思いますが、やりたいかどうかでいえばやりたくはありません。
今の生活が自分に合っていると思っているので、そういう意味で「今の状態をキープするために頑張れている」とは言えると思います。時間の使い方という点では、独立している人のほうが融通が利きますし、そこに不安は感じにくいと思います。
では、どういうところに不安を感じるのか。
仕事・収入面の不安
たとえばお客さんがとても少ない状態だと、時間はあってもお金がない状態になります。
そういった状態はやはり辛いもので、「仕事がないからお金がない」ということ以上に、「必要とされていないのではないか」と感じてしまう可能性もあります。
私も独立して2〜3年目頃までは仕事がかなり少ない状況で、「このままで大丈夫だろうか」という気持ちはありました。
そういう状態を解消するために、紹介会社を使って営業にブーストをかけるという選択肢もあると思います。ただ、その後のことを考えるとあまりお勧めしづらいかな、というのが正直なところです。
お客様との関係における不安
紹介経由だと、あまり乗り気ではないのに受けてしまった仕事、というケースもあるかもしれません。
そういった状況が続くと、不安を感じやすくなると思います。自分が望む仕事をするためには、やはり営業が肝です。
紹介だとその軸がぶれやすくなる可能性もあるため、私は自分に合っていないという理由も含めて、今も直接ご依頼いただく形で営業しています。
業務内容に対する不安
「この処理で大丈夫かな」「税務判断として適切かどうか」というのは、やはり気になるところです。ただ、そういった部分はお金を払って先輩の税理士や専門家に相談するという方法で解消できることも多いです。
そうでなくてもかっちりした勤務時間がない独立後ですし、常に頭の片隅に仕事のことがある、というのはある意味で正しいです。
それが望ましい状態とは言えないかもしれませんが、ある程度は仕事のことを考える時間を減らすというのも対策としては必要かなと思います。
仕事のことで思い悩む時間が長いとやはりそれだけで精神的な疲労は増しますので、相談できる同業者の存在はやはり大事です。
相談するだけで安心できるならそれでよいですし、食事に行ったりお茶をしたりというのもお互いの気持ちが合うなら制限する必要はないでしょう。
孤独感からくる不安
1人でいることが辛いと感じる方は、逆に組織として動くか、組織に属したほうが気持ちが楽になると思います。
私はもともと、勤務時代から仕事中に誰かと雑談したいという気持ちがあまり湧いてこないタイプでした。
こつこつ一人でこなしていくのが合っているタイプだったので、1人で仕事をすることにストレスをあまり感じません。
そうでない方の場合は、1人で過ごす時間が長くなるほど不安を感じるケースもあるでしょう。この辺りは、1人で過ごす時間と自分の性格との相性の問題でもあると思います。
独立している状態との相性というのもあると思います。ワイワイ仕事をする方が好きな人もいるでしょうし、こつこつ一人でこなす方を好むタイプもいます。
しんどいなと思ったら方向性を考え直してみるチャンスではあるのでこのままこの方向性でよいのか、というのは考えたほうがよいです。
私はたまたま独立後の状態が自分に合っていたので良かったですが、そうじゃないとやはりしんどさは感じると思います。
まとめ
ひとりで税理士としてやっていくことの不安の原因は大きく、「収入・仕事量の少なさ」「望まないお客様との関係」「業務上の判断に対する迷い」「孤独感」の4つに整理できると思います。
このうち収入面や業務判断の不安は、営業の工夫や専門家への相談といった手段で対処できる部分も多くあります。
一方で、孤独感や人間関係のストレスについては、自分の性格や働き方の好みと向き合うことが大切です。
「直接依頼を受ける営業スタイルを貫く」「相談できる専門家とのつながりを持つ」といった積み重ねが、1人でも安心して続けられる環境づくりにつながると感じています。
