独立して8年が経つと、依頼の来る仕事と来ない仕事の傾向が、だいぶはっきりしてきました。
意図して絞り込んだわけではありません。「この分野に特化しよう」と決めて、そこへ向かって歩いてきたわけでもない。気づいたらそうなっていた、という感じです。今日はその話を少し書いてみます。
依頼が来る仕事——何が共通しているか
来る仕事を並べてみると、わりとはっきりした傾向があります。漫画家・同人作家・同人クリエイターの確定申告や消費税、スポット相談。相続・贈与の申告。
これらに共通しているのは、「どこに頼めばいいかわからない」という状況にいる人が、検索やSNSでこちらを見つけてくれる、ということです。
そもそも、個人事業主の顧問を受ける税理士は、思っているより少ないです。業種を絞って——たとえば漫画家や同人作家に向けて——発信している税理士となると、さらに少ない。
加えて、紹介に頼らず、自分の事務所のホームページなどで自前で営業している税理士も、また少ない。
少ないところが三つ重なると、そこにはぽっかりと隙間ができます。その隙間にいる人たちが、こちらを見つけてくれる。ニッチなテーマを長く書き続けてきたことが、じわじわと効いてきた——という実感があります。
依頼が来ない仕事——なぜ来ないか、正直なところ
一方で、来ない仕事もあります。大規模な法人の顧問などがそうです。最近では法人の顧問のご依頼そのものが少なくなっています。
理由は、たぶん発信の向きにあります。この層に向けて書いていないし、そちらの文脈で検索されることもない。
仕事として悪いわけでも、こちらが避けているわけでもありません。ただ、つながっていない。それだけのことです。
「来ない」と書くと否定的に聞こえるかもしれませんが、そういうつもりはなくて、ただ「そういう構造になっている」という話です。
書いてきたものと、来る仕事は、地続きになっている。書いていないところとは、線がつながっていない。
8年目で思うこと——「来る仕事で続ける」のが自分には合っていた
振り返ると、「来る仕事を広げようとしていた時期」と、「来た仕事を丁寧にやる方向に切り替えた時期」があります。
後者に切り替えてから、精神的な消耗が減りました。準備の質も上がって何より「この人のお役に立てた」という感触が増えた気がします。
ほかにやっている人が少ない場所であれば、棲み分けというほど大げさなものではないにせよ、生き残るすべはあるし、居場所もあります。8年やってきて、そう感じています。
ただ、いいことばかりではありません。業種を絞っている分、確定申告の時期は決算期がどうしても重なって、業務量が一気に増えます。だからこそ、仕事量のコントロールがより必要です。
依頼が来る仕事は、たいてい自分が書いていたものと関係している
結局のところ、仕事は突然降ってくるわけではなくて、「書いてきたもの」「話してきたもの」とつながっていて、8年目になってようやくそれが腑に落ちてきました。
何を書くかを決めることは、どんな仕事が来るかを、遠回しに決めていることでもある。そう考えると、日々の発信の意味が少し変わって見えてきます。
