事務所を始めた頃、どうやってご依頼をいただくかが一番の悩みでした。SNSを頑張らないといけない、ブログを毎日更新しないといけない——そういう焦りのようなものが、いつも頭のどこかにありました。
8年経ったいま、仕事の流れのようなものが少しずつ見えてきた気がします。今日はそのことを書いてみます。
SNSだけじゃない、と気づくまで
独立した当初、SNSのフォロワーは多くありませんでした。更新も続かず、「これでは仕事が来ない」とずっと思っていました。
でも振り返ってみると、最初の頃にいただいた依頼の多くは、SNSのバズとはまったく無縁の、静かな経路からのものでした。
「SNSをやらないと仕事が来ない」というのは、もしかしたら思い込みだったのかもしれません。少なくとも、自分の場合は。
今、いちばん太い経路はコンテンツ経由
結局のところ、いまもっとも機能しているのは、ブログやHP記事、YouTubeの動画などを見ていただいて、事務所のホームページから問い合わせをいただく、という流れです。
「消費税 漫画家」「同人作家 確定申告」といったキーワードで検索して記事にたどり着く方、YouTubeで動画を見てから連絡をくださる方。
どちらも「すでに内容を読んだ・見た状態」でホームページに来てくださるので、最初から話が早いのです。
「この人に頼みたい」と思ってもらえた状態で来てくださるので、相談の温度感が最初から違います。長く続けてきたコンテンツが、いまでは一番の営業になっています。
ただ、即効性はありません。記事や動画は、書いたその日に問い合わせが来るものではなく、数ヶ月後、ときには数年後にようやく検索されて機能しはじめます。
「続けた分だけ資産になる」という感覚で、長い目で積み上げてきた結果が、いまにつながっている気がします。
SNS、特にXは少し変わってきた
誤解のないように書いておくと、SNSをやめたわけではありません。X(旧Twitter)はある程度続けていますし、発信がきっかけで問い合わせをいただいたこともあります。
ただ、Xそのものの空気が、ここ数年でずいぶん変わってきたようにも感じます。収益化ができるようになったあたりから、情報の真偽がより怪しくなってきた印象があります。
バズれば間違った内容でもオーケー、というような空気を、ときどき目にするようになりました。お金が絡むとこうも変わるかという気持ちで一歩引いてみています。
税務のような分野だと、これはなかなか怖いことです。
正確さよりも伸びやすさが優先される場所で、何を発信するか。そう考えると、SNSとの距離の取り方は、前よりも慎重になりました。
「SNSを頑張ればなんとかなる」という方程式への依存をやめた、という感じでしょうか。SNSはあくまで手段のひとつで、それが全てではない。そう整理がついたところです。
依頼が来ても、依存はしない
ありがたいことに、SNS経由でのご依頼がまったくないわけではありません。ただ、そこに依存するのは少し危険だな、とも思っています。
SNSは、見ようと思えばいくらでも時間を奪っていきます。返信や反応が気になって、気づけば結構な時間が溶けている、ということもありました。
なので、見る時間を決めたり、ある程度の線を引いたりは必要だと感じています。
あくまで、きっかけのひとつであればいい。何かひとつの経路に依存すると、それが途切れたときの怖さはあります。
コンテンツという資産を、細く長く積み上げておくほうが——つまり、ご依頼をいただくための仕組みを地味に育てておくほうが——ひとり事務所には合っているように思います。
今、発信の意味が少し変わってきた
最近、ブログやYouTubeを続ける理由が、少しずつ変わってきた気がします。
「営業のため」という気持ちがゼロではないのですが、それよりも「自分が考えていることを残しておく」「信頼を少しずつ積み重ねる」という感覚のほうが大きくなってきました。
昨日(6/27)のブログに書いた「発信との向き合い方が変わった」という話とも、どこかでつながっているのだと思います。
SNSに焦っていた頃の自分と、いまの自分。何が変わったかといえば、たぶん「急がなくていい」と思えるようになったこと。それに尽きるのかもしれません。
