税理士試験の相続税法攻略③

電卓

stevepb / Pixabay

税理士試験の相続税法攻略を考えてきましたが、今日は計算問題の攻略を考えます。

 

計算問題の構成

相続税法の計算問題は

ある親族関係が事例として出されて、相続税を計算する形をとっています。

具体的には、

①文章で親族関係が説明され

②不動産の評価

③取引相場のない株式の評価

④その他の財産の評価

⑤生前贈与加算の判定

⑥相続税額の計算

⑦税額控除の計算

が大きなくくりとして見て取れます。

 

これは、実は相続税の申告書とほぼ同じ構成になっています。

実務では他に留意すべき点が山ほどありますが、それはまたの機会にして、

申告書を作るイメージを持っておいてください。

 

財産評価

不整形地にしろ、取引相場のない株式にしろ、

基本的な型がありますので、それは個別問題で習得しましょう。

総合問題で最もやってはいけないのが、ケアレスミスです。

 

相続税法の計算問題は、ケアレスミスを誘う(意図はしていないと思いますが)場面が、

非常に多いです。

 

例えば、土地の評価をする際には、いろいろな補正率を使うことになりますが、

補正率の転記間違い(=問題用紙から答案用紙に書き写す際の間違い)ほど、

悔しい間違いはありません。

 

税額計算

税額計算の手順の前には、

各相続人が取得した財産を集計していきますが、

年にいくつか、特殊論点・初見論点(=改正項目ではないです)が出てきて

受験生の正答率が極端に悪い問題があります。

これについては、最終の評価額は合わなくてもよいですが、

部分点が割り振られる可能性がありますので、計算プロセスは書きましょう。

 

また上記の理由から相続税法の計算問題は最終の税額は基本的に合いません。

合わないつもりで集計してもらって構いません。ここはスピードが大事です。

大きく間違えていなければよいです。

イメージとしては千の位まではあわせましょう。

実際私は、百の位から下は電卓を叩いていませんでした。

 

税額控除関係は、親族図表があっていれば、税額に関係なく合うはずなので、

前々回にもお伝えしましたが、

親族図表は絶対に間違えないようにトレーニングしましょう。

 

 

電卓のスピードは必要か?

自慢じゃないですが、私は電卓を叩くのがしいて言えば遅いです。

ただし、右利きですが電卓は左手うちです。

 

相続税法の試験まで駒を進められる方の多くは、

簿記論と財務諸表論は受かっている方が大半かと思います。

相続税法の試験も時間との勝負ですが、特に簿記論は全部計算問題ですので、

ある程度電卓のスピードアップが出来ている方が多いと感じます。

 

スピードはある程度必要ですが、たいして差はつきませんので工夫が必要です。

相続税法の試験は財産評価のウェートが高いですが、

それゆえ計算問題では補正率を使う場面が多いです。

 

補正率を使う際には基本的に「0.97」とか「0.88」とか電卓に入力すると思いますが、

私は「.97」で0を入力していませんでした。(電卓はシャープ製)

あとは、小数点セレクターやラウンドセレクターも便利な機能ですので、試してみましょう。

 

電卓のスピードは皆さん大差ないと考えていますので、

打つ回数自体を減らす、右利きの人は左手うちにチャレンジするなど

いろいろ試してみましょう。

 

総合問題の解きなおしは電卓を使わない

相続税法の総合問題は、何度も解きなおすことをお勧めします。

間違いノートを作って、精度を上げる必要があるからです。

 

ただし、計算過程を書いてイコールまで書いた後は答えを書かなくて良いです。

解きなおしは計算過程のチェックだけで十分です。

 

 

おわりに

相続税法の試験も他の税法科目と同じく、時間との勝負です。

トータルの時間は120分ですので、理論問題と計算問題の配分や

計算問題の省エネ(=省時間化)は重要です。

 

また、全く解けないかもしれない新規論点にはあまり時間をかけず、

受験生の多くが解けるであろう問題の点数の取りこぼしがないように気を付けましょう。

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この記事を書いた人

ひとり税理士として独立開業した京都在住の税理士です。ひとり税理士としてチャレンジしていること、考えていることなどを発信していきます。

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