不動産を譲渡した、その後の気になるコト

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おはようございます、200記事まで勝手にカウントダウン中の

所属税理士ブロガーのtakasago(@co_develop)です。

確定申告明けで、そろそろ住民税の通知が届き始めているでしょうか?

お客様からよくいただく質問というか、気になるコトとして

不動産を譲渡したそのあとのことをまとめました。

 

目次

年金受給額への影響

不動産を譲渡して所得が増えたら、年金も減らされるんでしょう?

年金の種類にもよりますが、基本的に年金の受給額には影響しません。

 

年金の支給額を決定するものは

年金支給までに支払った年金保険料の総額です。

 

この不動産を譲渡したことによる所得はあくまで所得。

もちろん年金保険料ではありません。

 

よって影響はしない、というのが結論。

ただし、障害年金などごく一部の年金については

前年の収入に影響されるコトがありえるので、よくご確認ください。

 

通常の年金であれば減額はされないのでOKです。

 

住民税への影響

譲渡した翌年の住民税の通知書が来たが申告書を出した覚えがないのだけど?

個人住民税の申告にはみなし提出規定があります。

 

所得税の確定申告書は提出したけれど、住民税の申告書は出していないので

住民税は課税されない、と思っている方、結構いらっしゃいます。

 

不動産を譲渡した翌年に、所得税の確定申告をして安心していたところ

ちょうどこの5月ごろに、住民税の通知がきてビックリします。

そして税理士に言います。

「聞いてないけど?」

 

お客様からのこの言葉、税理士として非常に怖いところです。

聞いてないからといって払わなくてもよいわけではないのですが、

事前に聞いていた50万円と、突然払えと言われた50万円。

 

負担感は全く異なります。

住民税の申告書については、以下の規定があります。

 

所得税の確定申告書が提出された場合における

個人住民税の申告書の提出みなし規定

というものです。

 

つまり、所得税の確定申告書を提出すると、

個人住民税の申告書が提出されたとみなされる、ということで、

住民税の申告書を提出しなくても、個人住民税が課税されます。

 

個人住民税は個人住民税で申告書を別途提出することができます。

上場株式等の配当については課税方法を、

所得税と住民税で分けることができるようになりました。

 

このような場合には、住民税の申告書を別途提出しますが、

通常、不動産を譲渡しただけであればあえて提出する必要はありません。

 

要は、所得税の申告書を提出すると

住民税の申告書が提出されていない限り、その申告の情報が

住民税の課税をするところ=市町村に回って、住民税が課税されるということ。

 

なので、事前に住民税が上がりますよということを聞いていないと、

聞いてないよ!とお客様から言われたりします。

 

事前に、譲渡所得税と住民税の税率を確認しておきましょう。

所得税は15%で住民税は5%など、割合は決まっています。

 

健康保険料・介護保険料への影響

不動産を譲渡したことで健康保険料や介護保険料に影響しますか?

影響しますが、譲渡した翌年1年間です。

 

給与所得で例えば、協会けんぽに加入している方については

健康保険料の金額は標準月額報酬という目安に基づきますので

不動産の譲渡で譲渡益が出ていても健康保険料・介護保険料には影響しません。

 

要注意なのは、国民健康保険料と後期高齢者医療保険料を支払っている方です。

 

国民健康保険料も後期高齢者の医療保険料も、

前年の所得に基づいて計算されます。

 

譲渡所得で譲渡益が出ていれば、所得が増加しますので

健康保険料・介護保険料にダイレクトに反映します。

 

譲渡益の金額によっては、最高額の保険料になったりも。

ただし、前年の所得に基づくので、譲渡した翌年分の保険料のみが影響を受けます。

 

さらにこんなご質問を受けることがあります。

譲渡所得に関する特別控除後の金額はどうなりますか?

譲渡所得の特別控除後の金額を所得とみなします。

 

国民健康保険料などの保険料を計算する際には

所得割という前年の所得に応じて計算する部分があります。

 

この所得割の所得の計算は、特別控除が適用されるかどうかで

影響が大きく異なります。

 

所得割の計算については特別控除後の金額を使います。

 

また、被扶養者の方が不動産を譲渡した場合には

所得が増えるので扶養が外れることがあります、というか外れます。

 

扶養している方の所得税へも影響しますので

譲渡所得の影響を確認する場合は、細かいところまで確認する必要があります。

 

まとめ

不動産の譲渡は、お好きな方でなければ

一生に1回や2回ぐらいです。

その影響は計り知れず、知らない人は通知が来てビックリすることが多いです。

 

税金だけではなく、イロイロなところの影響しますので

十分に確認しておいて、心構えをしておきましょう。

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この記事を書いた人

ひとり税理士として独立開業した京都在住の税理士です。ひとり税理士としてチャレンジしていること、考えていることなどを発信していきます。

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