税理士実務は本を読んで身に着くかと聞かれたことがあります。
本を読むだけではなくアウトプットできる場があったほうがよりよりかなと考えています。
税理士試験が終わっても勉強は続く
税理士の実務としては税務相談や税務申告書を作成することが想定されますが、税理士試験に合格して登録するには実務要件があります。
2年間の税務に関する業務を経験して初めて登録できるわけです。
ではこの2年間は必要かというと、税理士としての仕事の仕方によっては必要ないかもしれません。
わたし自身は税理士法人で約4年半の勤務をし、その間に2科目税理士試験に合格して5科目揃えて登録をしました。
2年間の実務要件は登録時には満たしていたわけですが、この4.5年の実務経験はわたしにとって必要な、いま税理士として仕事をする上での基礎になっています。
実務要件はわたしにとって税理士業をやっていくうえでの土台であり、必要なことでしたがそれで勉強が終わりという訳ではなく、いまも続いています。
基礎的な部分があってこそのさらに実務を積むという感じで取り組んでいて、税制改正項目はもちろんですが新たな分野もそうですし、少し派生するような形での勉強をしています。
本を読んだりセミナーを受けたりもしていますが一番身につくのはやはり経験することです。
いくら座学で勉強をやったとしてもパイロットにはなれないでしょう。
税理士資格は取得出来てもそのあといかに飛行機を飛ばせるかはやってみて経験しなければいつまでたってもできません。
発信はアウトプットになるかというと税理士実務というよりかは営業活動なのでまた別です。
実際のお客様の申告書を書いたり、税務相談に応じる中で経験することのほうがインプットすることよりも価値が高いとわたしは考えています。
税理士試験では年末調整のやり方も学びませんし、償却資産税の申告書を電子申告する方法も学びませんが、実際にお客様対応することになれば必要なことです。
やらない選択肢をするのであればそれでよいですが、オーソドックスな業務ですし、やらないのとできないのは違います。
勉強の幅は拡がる
税理士試験の受験中は試験に受かるための勉強で、狭く深く、一年一科目だと自然とそうなります。
税理士資格を取ったあとは改正項目に限らず勉強の幅は拡がるものですし、自分の業務効率を上げるための勉強もどんどん取り入れられます。
自分の業務効率が上げられることでそれをお客様にフィードバックすることもできるわけで、いい循環が生まれるのではないかなと。
例えばExcelの使い方ひとつとっても、ショートカットやマクロをうまく使えるのであればお客様の経理業務にも活かしやすいです。
わたしはいまはGASの勉強をして自分の業務で効率化できるところを探っている最中ですが、勉強の幅は試験勉強と比べると大きく拡げることができます。
一方で深くしていくことも可能ですし、実務と一言でいってもいろんな選択肢が出てきて、その分はとても面白く感じています。
勉強の幅をどの方向にどれくらいの深さで拡げていくのか。
税理士実務についても同じことが言えます。資産税をしっかりやりたいとか、特定の業種・業界のお客様に強くなりたいとか。
いろんなやりようがありますのでこれしかやってはいけないという固定観念を外して取り組んでいくのがよさそうです。
まとめ
本やセミナーから学ぶこともたくさんありますしそれも勉強のひとつではありますが、経験し身につけることでお客様に提供できるようにするためには行動することも必要です。
税理士実務を身につけるためにも税理士試験後は勉強と経験は続きます。