飲食店の経理のススメ。売上編その①

経理術

経理術

おはようございます、京都の所属税理士takasago(@co_develop)です。

自分の独立が近づくにつれて日々の経理をどのようにやっていこうか、

ふとした瞬間に考えています。

 

改めて経理業務のやり方や整理の仕方を誰かに教えてもらう機会は

一般の企業にお勤めの方や起業希望者には多くはないのかなと思ったりするので

ひとまず飲食店の経理をまとめてみます。

[alert title=”注意”]本記事でいうところの経理とは、金銭の収入管理や事務処理を指します。

帳簿作成は経理業務で出来た帳票=資料を元に会計仕訳を入力する作業です。

経理は会計仕訳を入力する前段階の日々のお金まわりの管理とご理解ください。[/alert]

 

目次

お客様来店後の収入に関する流れと処理

飲食店は現金商売といわれます。

一般消費者向けで収入が現金であることが多いからです。

 

特に売上が現金かどうかは資金繰り=お金回りに影響を及ぼします。

このあたりはまたの機会に置いておいて。

飲食店の業務からお金の回り方をおさらいしましょう。

 

お客様が来店する

注文をいただく=伝票起票

サービス=食事を提供する

お会計をする

という収入に関する流れがあります。

 

一番最初の店側の処理としては、注文を受けた時の処理です。

このときにいわゆる伝票が作成されることが多いです。

スタバなどのカフェやファストフード店でも

注文を受けると同時に伝票を起票してレシートを作成するので

伝票起票は飲食店では基本的には発生します。

そのほかの飲食店では従業員が注文内容を伝票に書いたり、

端末を使って入力したりします。

 

この伝票を使って注文をとることの役割は

厨房側に注文を送るというのと、お客様への請求をまとめていく

という2つの役割があります。

さらにはココからお客様の属性をデータとして収集したりもします。

 

注文を受けてサービスを提供したら

お客様がお店を出るときに伝票に基づいて請求し

お支払いをしていただきます。

 

このときにお金が動きます。

お客様からお店への支払い、お店側から見ると売上です。

 

あなたはカフェの店長だとしましょう。

店長とアルバイトの学生でお店を回しているとします。

 

アルバイトさんが注文を取ってきて店長であるあなたに伝え伝票をもらいます。

もらった伝票に基づいてコーヒーを淹れ、提供します。

お帰りの時に伝票に基づいて請求しました。

レジ回りの処理

あなたのお店にあるレジでお客様から代金を頂戴します。

例えば400円だとしましょう。

 

400円のお代金に対して、500円玉でお支払いいただいたら

当然ですが100円のおつりが必要です。

 

そう、飲食店に限らずおつりが必要になることを想定して

レジには最初におつり用のお金を用意しておく必要があります。

 

毎日のスタートを用意しておきましょう。

お札と小銭を混ぜて用意しておきます。

お店の規模により準備しておくべき金額は様々です。

おつりが足りなくなると困るので最初は大きめの金額でやっておきましょう。

毎日のお金の動きがつかめてきて多いと感じたら少なくすればよいです。

 

例えば5万円分のおつり用のスタート金額だとすると

5,000円札:3枚(15,000円)

1,000円札:20枚(20,000円)

500円玉:10枚(5,000円)

100円玉:80枚(8,000円)

50円玉:30枚(1,500円)

10円玉:50枚(500円)

のような感じで合計で5万円にするように営業開始前にしておきます。

 

毎日同じ金額でスタートするとイイことがあります。

それは現金を管理するのがラクになるということです。

 

営業後にレジのお金を数えて115,420円だったとします。

そこからスタートの5万円を引いた金額が現金売上のはずです。

115,420円-50,000円=65,420円です。

 

レジのお金を集計してスタートの金額を引けば

その日の売上がすぐにわかりますね。

 

レジには日計表という機能がついていて

一日のお金の収入合計がわかりますので、

そこに記載された金額と手元の金額は基本的に一致します。

一致しない時は現金過不足があることを意味します。

 

営業が終了したら、レジのお金を数えて現金売上を確認し

明日のスタート用に5万円をセットします。

レジに入れる用の5万円とは別に、現金でお支払いがある場合と

5万円を用意する為の小口現金を持ち運びできる小型の金庫に入れておきましょう。

 

例えば10万円を小口現金として用意しておくとします。

毎日のスタート5万円をその小口の10万円を使って用意します。

 

一日の終わりには

現金売上の分の現金+スタートの5万円+小口現金

がお店にあることになります。

売上の処理と整理

営業が毎日であればこの売上に関する作業は毎日行う必要があります。

さらにココから処理が必要です。

 

毎日の現金売上金額を記録する必要があります。

それは冒頭でも書いたように会計データに入力する為です。

記録の仕方は紙を使うかデータに入れるかです。

[amazonjs asin=”B000THQ3HS” locale=”JP” title=”コクヨ 三色刷ルーズリーフ B5 売上帳 26穴 100枚 リ-102″]

例えばこのようなノートを使って手書きする場合もあれば、

似たような形式でExcelシートに入力してもイイです。

 

この後に控える会計データへの入力を効率化しようと思うのであれば

Excelシートに入力しておけばデータ取り込みで会計データへの入力する手間を

省ける可能性がグッとあがります。

 

毎日の現金売上はお店に溜まることになります。

多額の現金がお店にあることは不用心ですから、

例えば3日に一回は銀行に預けに行きましょう。

 

その際には、後で見てわかりやすいように

一日ごとに入金することをオススメします。

預金への入金を一日ごとにしておけば

毎日の売上帳との照合がラクになります。

 

通帳は現金売上入金用と掛売上入金用、あと支払用の少なくとも3つあると便利です。

その便利さは明日以降のブログ記事でご紹介します。

まとめ

現金商売であれば経理は毎日する必要があります。

会計データ入力作業は後回しになりがちですが、

この現金の管理がうまくいかないと、お店にいくらあるのか、

店長であっても分からなくなる可能性があります。

 

そんなことあるの?と思われるかもしれませんが

飲食店の税務調査では間違いなく現金監査と言って

現金あり高と出入金記録はチェックされます。

そして大概が帳合しない=データ上の金額と実際あり高が合わない。

現金がチェックされるのは売上を抜いてないか確認する為でもあります。

 

本記事で紹介したのは基本的な流れです。

どの段階からでも効率化することは可能ですので

最終的にはその部分の紹介もしていきます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ひとり税理士として独立開業した京都在住の税理士です。ひとり税理士としてチャレンジしていること、考えていることなどを発信していきます。

目次