棚卸、やってますか?
棚卸は正確な粗利(=売上-売上原価)を把握するために必要です。
お客様からもよくご相談をうけます。
棚卸とは
ある一定時点の製品、商品、原材料などの在庫を調査して数量を確かめることです。
経営管理の面では在庫管理、会計上は粗利益・売上総利益(=売上-売上原価)を把握するために
必要な作業です。
私の実感として、飲食業はあまり熱心ではありません。
やっていないところも多いです。
なぜか?
単純に面倒だらからです。時間もかかります。
要は物の数を数える行為ですからね。
特に飲食店では店長やオーナーの感覚にまかされる部分でもあります。
粗利益を正確に把握することは、経営上さまざまなメリットがあります。
なるべく時間をかけないように工夫しましょう。
棚卸の必要性
正確な棚卸は経営管理で非常に重要です。
棚卸をきちんとやっている場合とそうでない場合を比べれば一目瞭然です。
棚卸してない場合
売上原価=期首在庫+当期仕入-期末在庫です。
棚卸をしていない場合、期首の在庫と期末の在庫が同数です。
そうすると、売上原価は当期仕入ベースです。
期首在庫10
当期仕入100
期末在庫10
とした場合、期首在庫と期末在庫が同数ですので結果的にプラスマイナスゼロです。
そうるすると売上原価は10+100-10=100(=当期仕入)となり、
仮に売上が200の場合、200の売上を100の原価で行ったことになります。
棚卸している場合
仮に棚卸をきちんとできている場合
期首棚卸10
当期仕入100
期末棚卸30
とした場合、売上原価=10+100-30=70です。
売上が200の場合、200の売上を70の原価で行ったことになります。
棚卸していない場合の売上総利益は100(=200-100)ですが
棚卸している場合の売上総利益は130(=200-70)です。
棚卸の効果
利益は多いほうがよいです。
利益を減らして税金を減らしたいという意向をよく耳にしますが、
法人も個人も利益から税金を差し引きした繰越利益剰余金(=内部留保)は
多ければ多いほどよいです。
手元に残る資金が多くなければ、明日何かあったときに何もできません。
たくわえがあれば出来ることは多いです。
棚卸を工夫しよう
冒頭でも書きましたが
棚卸=物の数を数える行為です。
工夫してみましょう。
物の置き場を決めておく
意外に思われるかもしれませんが、
出来ていない事業者さんが非常に多いです。
空いているスペースにとりあえず置いておく。
そうすると、どこになにがあるか分からない。
数えるのがめんどくさい→棚卸したくないというスパイラルに陥ります。
物を置く場所は決めておきましょう。
さらに、物を置く単位を決めると時間短縮できます。
この場所にはビール瓶を10本置く、と決めておくと
パッと見て数をカウントできます。
無駄のない計画
物の数を数える行為は単純作業です。
単純作業を減らそうとすると、物の数が少ないほうが時間はかかりません。
在庫を減らしておく工夫が必要です。
特に飲食業では食材が中途半端に残ることも多いと思いますが、
中途半端に残らなければそもそもカウントする必要がなくなります。
食材をきれいに使い切ることで、棚卸の手間が減り
なおかつ食材のロスが減ります。
食材をきれいに使い切る工夫はそれこそシェフの腕の見せどころではないでしょうか。
おわりに
出来れば毎日の棚卸が理想ですが、慣れないうちは例えば
月末や週末で行うことから始めてみましょう。
いくらの売上原価がかかるか把握することは
商品やサービスの値段を決めることにつながります。