2月も下旬になり、3月決算法人の決算対策を考え始める時期です。
よくある保険の提案で気を付けるべきポイントをまとめました。
出口戦略はあるか
法人で決算対策をする際には、保険契約が提案としてよく使われます。
法人が契約者=保険料支払者、役員が被保険者
として、契約を結びます。
長期平準定期保険という種類の生命保険に加入すると、
途中解約した際に解約返戻金を受け取ることになります。
期中の処理は、保険料の半分を支払保険料として費用に、半分を資産計上にします。
費用が増やせますので、利益を減らせます。ここが決算対策となります。
解約返戻金の受け取りの際には
解約返戻金-資産計上した保険料=利益が計上されます。
解約時に利益が計上されるので、その分解約時には利益が増えます。
この利益をどう使うかを考えていないと、
ただ後で税金を払うだけになります。
例えば、生保会社の営業トークで、役員の退職金を準備しましょうという
ハナシになったりもしますが、出口戦略=解約返戻金受取時の処理を
事前に考えておく必要があります。
ピークはいつか
保険契約を途中解約する場合には
解約返戻金のピークがいつになるかを
キッチリ把握しておかなければ、一年過ぎると何%も下がったりします。
特に、保険に加入した法人で訳も分からず
勧められるがままに保険に加入していると
このピークのハナシすら知らない経営者もいたり。
こうなると何のために保険に加入するか分かりません。
意外と知られていませんが、
税理士事務所の収入源のひとつとして生命保険の代理店収入、手数料収入があります。
経営者に保険を勧めるのに
最も近い存在である税理士事務所がアプローチしやすいと考えられています。
でも、税理士事務所の職員は保険のプロではありません。
ある種、無責任に保険を顧問先に売っている税理士事務所もあります。
そうなると、もう管理などできず、ひたすら保険を売る保険屋さんに。
(保険の契約手数料はびっくりするくらい高いです。)
解約返戻金を受け取るつもりで保険に加入するならば
ピークがいつか、ピーク時に何をするか考えておきましょう。
退職金にするならば
解約返戻金を役員の退職金としてオススメすることが多いと前述しましたが
役員の退任時期は不明確なことも多いです。
さらに、不相当に高額な役員退職金は
税務上否認=費用にならない、可能性もあります。
役員退職金に充てようというのならば
キッチリと役員退職金規定を整備して、プランニングしなければ
いたずらに否認のリスクを高める結果になります。
役員退職金には
功労倍率などほかに気を付けるべきポイントが多いですし、
役員退職金として支給する際には、会社の業績にダイレクトに反映しますので
法人自体の株式評価額にも多大な影響を及ぼします。
役員退職金あなどるなかれです。
まとめ
中小企業の決算対策はもちろん必要ですが、
どこまでやるか、税金を支払わなければ手元に残るお金はないなど
やるまえに考えていただくことが多いです。
過剰な決算対策は非常に危険です。
結局はキャッシュアウト=資金流出してしまうので。