残業時間が少なくて嬉しい所属税理士のtakasago(@co_develop)です。
新社会人のみなさん、初任給は無事に支給されましたか?
自分自身が払う税金について学んでいくシリーズとして
今日は給料明細をじっくり見ていきましょう。
基本給
給料明細を手元に出してみてください。
おおまかに分けると
支給・総支給額
控除・控除合計
差引支給
勤怠
が記載されていますね?
これらは基本的に給料明細に記載されているべき事項です。
基本給は、就職時に締結した雇用契約や労働条件提示書に記載されていた金額ですか?
なんか少ない、というひとも多いと思います。
初任給は就業規則などに別段記載がない限り、
入社日~給料の締め日までの期間での日割り
となります。
例を考えてみると
初任給:210,000円
入社日:4月1日
給料の締め日:毎月20日
支給日:4月30日
だとします。
給料計算上、日割りしますので
210,000円÷30日(営業日)×20日=140,000円となります。
これは入社日と締め日の関係で異なってきます。
自分の会社の締め日と給料支給日がいつなのかは
先輩に聞くか、就業規則で確認しましょう。
[alert title=”注意”]就業規則は従業員に周知する義務があるだけで
すべての従業員に渡さなければならない、というワケではありませんのでご注意を。
少なくとも従業員すべてが閲覧できるところに保管等されているハズです。[/alert]
ここでよくある質問をひとつ。
締め日ってなんのためにあるのか?というもの。
業務フロー・流れをイメージしてみましょう。
お給料の締め日が毎月20日の場合。
前月21日~当月20日の残業時間の計算・申請
↓
総支給額と控除額の確定
↓
給料振込の処理
この一連の流れを大きな会社であれば人事部や経理部が行うことになります。
従業員が10人未満であればそれほど時間はかからないケースが多いですが、
これが何百人ともなると、残業時間の把握はもとより〇〇手当などの
異動事項の把握にも時間を要します。
大きな組織になればなるほど
お給料の締め日~給料支給日までが長くなる傾向にあります。
月末締めの翌月20日払いとかザラです。
さらにお給料は振込のところがほとんどだと思いますが、
お給料の振込処理も金融機関に支給日の何営業日前の何時まで、
というふうにキッチリ期限が設定されています。
これは金融機関ごとに異なります。
例えば、
月末締めの翌月20日払いで
金融機関には支給日を含む5営業日前の12時までに通知が必要、
と定められている場合。
人事部・経理部では
20日の5営業日前ですから、20日が金曜日の場合、16日月曜日の12時までに
すべての振込先と振込金額を通知する必要があります。
結構大変なのがお分かりかいただけるかと。
支給日が土日の場合は、支給日が前倒しになることが多いので、
さらにタイトになります。
ちなみに、従業員には日割り計算が適用されるけど
役員報酬はどうなのか?という質問はお客様からよくある質問のひとつです。
結論からお伝えすると
役員報酬には日割り計算の概念がありません。
要は当てはまらないと。
これはなぜかというとイロイロな解釈があるので
ぜひ調べてみてください(笑)
従業員は会社との雇用契約=雇い・雇われの関係
役員は株主からの経営委任という関係が根底にあります。
要は役員報酬は給料ではない、ということです。
役員報酬は労働の対価ではなく、経営委任に対する対価なので
時間の経過に応じて計算される性質ではない、というのが考え方です。
基本給は初任給の場合は日割りされることがある。
これを覚えておけば、給料明細をみてもビックリしないと思います。
〇〇手当
給料の支給額の欄には、〇〇手当というのものが記載されていることが多いです。
例を挙げてみると
- 扶養手当・家族手当
- 残業手当
- 住居手当
- 役職手当
- 資格手当
- 皆勤手当
などなど。
残業手当は残業したらその時間に応じて支給されるものです。
新入社員の方は、まだ残業はしていないと信じています!
残業手当はいわゆる割り増し賃金ですから、時間単価設定になります。
残業手当が支給された際には
残業手当を残業時間で割ってみると時間単価がわかります。
法定の割増賃金の率は25%以上。月に60時間を超える分は50%以上。
などと決められています。
残業手当が支給されたら時間単価を計算してみましょう。
アルバイトの時給とはわけが違う、ハズですので。
[alert title=”注意”]今回は一般的な残業手当について説明しました。
残業手当の取り扱いは固定残業代など様々なケースが考えられますので、
自分の会社の就業規則・給与規定は少なくとも確認しておきましょう。[/alert]
そのほかの手当は会社よりけりです。
ぼくの場合は、資格手当が付与されています。
これも会社の就業規則・給与規定にかならず規定されていますので
最初のうちに確認して、可能であれば備忘のためにメモしておきましょう。
なお、就業規則・給与規定は
従業員が10人以上の会社であれば必ず設置し労働基準監督署への届け出義務があります。
逆に言うと、従業員が10人未満であれば設置義務はありません。
税理士の立場で言うと、トラブル回避のためにはあったほうがいいんですが。
いまだに、ウチはそんなことでトラブルにならないから大丈夫だ!という
社長さんが多いのも事実です。
準備しておきたい、リスクヘッジしておきたいということであれば
専門家は社労士さんなので、ぜひ相談してみましょう。
通勤費
あなたの給料明細には通勤費もちゃんと記載されていますか?
通勤費はイロイロな呼び名がありますが
要は、会社に行って仕事をするのに通勤のために必要な費用、
のことを指します。
この通勤費は実費支給であったり、
通勤手当として月額定期で2万円支給されたりするケースもあります。
この通勤費は給料の一部とされています。
もし電車で通勤しているならば定期代だったりしますね。
入社時に自宅から会社までの最寄りの交通機関と定期代を記載するように
総務部などから指示された方も多いのではないでしょうか。
この通勤費に関する質問で最も多いのが、
通勤費は所得税の課税対象ですか?というもの。
結論から申し上げると、通勤費は一定額までは非課税です。
通勤にかかる費用に所得税が課税されてしまうと
実質的には通勤費が満額もらえない=趣旨と違う、ということになりかねません。
使っている交通機関や距離に応じて非課税の限度額は変わります。
交通機関(電車やバス)を利用している場合には月額150,000円までは非課税限度額です。
ただし、合理的な運賃等に限ります(笑)
この合理的な運賃等とは、たとえば新幹線で通勤する場合に
グリーン車の部分は本当に必要か、という話だったりします。
要は所得税の課税逃れで、
基本給の部分を通勤費として支給していないか?ということです。
やっと税金のハナシがでてきましたね(笑)
合理的な運賃等とは、
通勤に不必要な車両クラスのグレードアップであったり
遠回りをしたとして運賃を計算していたり
を排除する目的での文言です。
まとめ
今日は給料明細の支給の部分を見てきました。
給料明細は、総支給額から控除部分を差し引いて
いわゆる「手取り」が支給されます。
給料明細をちゃんとみて、間違えがないか
税金をいくら払っているのかを確認することが
ご自身の「お金」を考える第一歩です。
新社会人のみなさんは特に、ないがしろにしがちなので
ちゃんと給料明細は確認しましょう。