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この仕事を、いつ・どうやって店じまいするか——一線を退く判断を、自分でするということ

10月は誕生日の月です。

月初から、いろいろなサービスから「お誕生日おめでとうございます、クーポンをお送りします」という連絡が届いて、ひとつ歳をとることを否が応でも意識させられています。

私も42歳になりました。税理士登録をしてから、もうすぐ10年になります。先日のメルマガで、一線を退く判断の話を少し書きました。

今日はその続きで、この仕事をいつ、どうやって店じまいするかを考えてみます。

目次

ひとり税理士には「戦力外通告」がない

プロ野球はいま、戦力外通告の時期です。来年は契約しない、と外から線を引かれる世界です。

ひとり税理士は、誰にも「もういいよ」とは言われません。依頼がある限り、続けようと思えば続けられてしまいます。

それは自由でもありますが、同時に怖さでもあります。

判断が鈍ってきたときに、止めてくれる人がいないからです。

「ジンノさん、もうやめていいですよ、危ないですよ」と言われる前に、自分で気づけるかどうか。戦力外通告のない仕事だから、線は自分で引くしかありません。

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「70歳までに」と口にしてみて、考えたこと

いまは、なんとなく「70歳までに」と思っています。

ただ、口にしてはみるものの、実感としてはまったく湧いてきません。42歳の自分からすると、まだ28年も先の話です。

それに、28年後に税理士という仕事がいまの形で残っているかどうかも分かりません。

AIの登場と進化で、仕事の中身はきっと変わっていくでしょう。仕事そのものがなくなる可能性も、ないとは言い切れません。

それでも、税理士の仕事はなくならない気もしています。

申告書に自分の名前を書いて、その内容に責任を持つ。その部分は、人が引き受けるものとして残るのではないかと思うからです。

もっとも、自分の仕事がなくなってほしくないという気持ちもあるので、多少のバイアスはかかっているかもしれません。

もうひとつ、泥臭い仕事のほうが残るような気もしています。

領収書を一枚ずつ確認して、分からないところはお客様に聞いて、帳簿に落としていく。いまも記帳代行を自分でやっているから、そう思いたいだけかもしれませんが。

そう考えると、大事なのは年齢よりも「やめどきのサイン」なのかもしれません。

自分なりに挙げてみると、たとえばこんなときです。

  • 申告の正確さに、自分で自信を持てなくなったとき
  • 期限内に終わらせる段取りが崩れてきたとき
  • 新しい改正を追うのがしんどくなったとき

なかでも一番は、「自分の名前で責任を取れない」と感じたときだと思っています。

税理士の報酬は、作業量だけでなく、自分の名前で申告書を出す責任の重さにいただいているものです。AIがどれだけ進んでも、そこは手放せない部分だと思うからこそ、責任を負えなくなる前にやめたい。

とはいえ、まだ答えが出ているわけではありません。

ひとり事務所の店じまいは、「お客様の行き先」を決めること

組織の事務所なら、誰かが引き継げます。

ひとり事務所は、自分がやめると、お客様の窓口がそのままなくなってしまいます。

だから店じまいの準備とは、つまるところ次のようなことなのだと思います。

  • お客様を安心して任せられる同業者がいるか
  • 資料やデータが、誰が見ても分かる形で整理されているか
  • 契約の終わらせ方を、あらかじめ決めておけるか

予定どおりに引退できるとは限りません。

昨日書いたように、からだの急な不調で止まってしまう可能性もあります。

正直なところ、いま「もしものときはお願いします」とはっきり言える相手がいるかというと、まだ十分とは言えません。

同業とのつながりを作っておくことは、いざというときの受け皿にもなりお客様にとって少なくともマイナスにはならないでしょう。少しずつ、整えていきたいと思っています。

終わりを考えると、いまの働き方が見えてくる

やめるときのことを考えると、いまの選択の意味も見えてきます。

たとえば、顧問の件数を増やしすぎないのも、長く続けて、きちんと終えるための選択です。

70歳の自分は、まだ具体的にイメージできません。

でも、イメージできないから考えなくていい、ということではないはずです。

10月は、自分にとって棚卸しの月でもあります。

これからは誕生日の月を、年に一度この話を考え直す月にしようと思います。43歳の自分は、また違う答えを出しているかもしれません。

きちんと店じまいできるように、いまをちゃんと続けていきたいと思います。

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この記事を書いた人

ひとり税理士として独立開業した京都在住の税理士です。ひとり税理士としてチャレンジしていること、考えていることなどを発信していきます。

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