おはようございます、京都の所属税理士takasagoです。
先日、京都の簡易宿所(いわゆる民泊みたいなもの)の廃業数増加について、地元京都ではニュースになっておりました。廃業数が増えているとのことで淘汰されはじめたようですが、まぁこれはビジネスにおいては普通のコトです。
それはさておき、京都の民泊事情はと言いますと条例の規制が厳しいコトで有名です。いわゆる駆け付け要件なるものがあります。条例に則していない、違反している民泊事業者さん・運営者さんもおられるかと思いますが、違法な所得でも確定申告は必要ですよ、というオハナシです。
違法な所得も申告の対象です
例えば、京都市の条例では「駆け付け要件」というものがあります。
事業を運営しているその宿泊場所から半径800メートル以内に管理者が常駐し、問題があればすぐに書ける付けられることを要求するのものです。
半径800メートルというのは徒歩で1分=80メートルの計算(不動産の広告などでも見かける徒歩〇〇分と同じ計算です)で徒歩10分以内というのが基準です。
この駆け付け要件ですが、義務になっているので、事業者たちが厳しすぎると反発している状況です。
条例施行前からの既存の簡易宿所の施設については2020年3月まで要件の充足を猶予されています。
大手の宿泊仲介業者であるAirbnbでは、違法な状態である民泊を排除するようになっているようですが、お客様を集めるのはそのようなインターネット仲介業者のみがルートではありません。
では違法と分かっていながら民泊事業をして収入を得て所得がある場合には確定申告の必要があるかというと、所得を得る方法が違法でも所得であることに変わりはないので確定申告は必要です。
誰の所得か、どの所得区分かという問題
もうひとつよくあるご相談では、自宅の一部を貸し付けている場合にその貸し付けは誰の所得ですかというのがあります。
この自宅を貸し付けている場合には駆け付け要件は満たされていますが、分譲マンションでは管理組合からの許可がある旨を届け出なければなりません。
それはさておき、戸建ての自宅の一室を貸し付けている場合に、その場合はだれの所得ですかと聞かれることがありますが、通常で考えるとその自宅を所有している人の所得です。
これは所得の帰属という問題になるのですが、例えば自宅を持っている人の所得ではなくてその人の配偶者の所得にしたい、と考える方もいらっしゃいます。
お勤めの会社の副業禁止規定に反して自宅の一部を貸していたり、副業をしているとそのような発想に至ると思われます。
所得の種類もそうです。事業所得なのか不動産所得なのか、事業的規模なのか、雑所得なのかはそれぞれを個別的に判断する必要があります。
給与所得がある方が空き部屋を貸して民泊事業をしている場合には雑所得です、という国税庁が公表しているタックスアンサーもありますが、所得税法には副業がどの所得区分に該当するか(事業所得に該当するか)というのが明記されていません。
インターネットの発達により、新しいビジネスがどんどんと出てきています。それに加えて副業を推進している会社も増えてきています。
なんでもかんでも事業所得にして給与所得と損益通算しようとするとイタイ目を見る可能性が高くなります。
それをまた副業禁止の会社に黙ってやっていたりして住民税の通知で発覚したりすると、取り返しのつかない結果になるコトも考えておく必要があります。
副業もそうですがルールは守ってビジネスしたほうが夜もゆっくり眠れるというものではないでしょうか。
まとめ
京都に住んで仕事をしていると夕方に道をゴロゴロとスーツケースを引っ張って、民泊をさがしているであろう外国人旅行者の方を非常によく見かけます。
道だけではなく、公共の交通機関、主にバスでは複数人の方が大きなスーツケースを運ぼうとバスに乗り込んで、京都に住んで生活してバスを利用する方のバスの利用に影響が出ていたりします。
そういう面もあって日本で最も厳しい民泊規制条例が施行されたという背景もあるんですね。
ルールを守って民泊を運営してもらいたいなと思う次第です。