二次相続も考えるのが良い相続

分割

3dman_eu / Pixabay

相続「税」を考えるときには、二次相続も考慮しましょう。

財産の分け方で税金が大きく異なりますので要注意です。

 

二次相続とは

二次相続とは、いわゆる二回目の相続。

既に相続が発生している場合には、その相続を一次相続といい、

その次の相続を二次相続と呼びます。

 

特に、一次相続で相続人に配偶者がいる場合、

その残された配偶者がその後に亡くなった場合の二次相続には注意が必要です。

 

夫婦間で年齢差がない場合には、

残念ですが二次相続と一次相続との間が短い場合も多いです。

そんな時に二次相続のことを考えずに、一次相続の財産分割を考えると

一次と二次のトータルで考えると税額が倍増するケースが実は非常に多いです。

 

配偶者の税額軽減は活用しすぎてはいけない場合がある

相続では配偶者への優遇措置が多く、その中でも配偶者の税額軽減が

最もインパクトがあるものです。

配偶者は相続財産の半分まで、もしくは1億6千万円まで相続税がかかりません。

一見すると、とってもお得ですね。

お客様からも税金が掛からないのならそれがいいと言われることも多いです

これに気を取られすぎると、税額が倍増します。

 

例示として

家族構成:両親と子ども2人

両親のうち一人が亡くなり、相続財産が1億円とします。

配偶者の固有財産はゼロとし、一次相続と二次相続の間に財産の目減りはないものとします。

(極端な事例ですが、税額のインパクトを分かりやすくするためです)

 

一次相続で配偶者の税額軽減をフルに使った場合

一次相続の相続税額:ゼロ(配偶者が財産を全部取得)

二次相続の相続税額:770万円

(税額計算:以下は苦手な人は目を通さなくてもよいです)

1億円-4,200万円(子ども2名の基礎控除額)=5,800万円

5,800万円×1/2(子ども1名の法定相続分)=2,900万円

2,900万円×15%-50万円=385万円

385万円×2=770万円

 

一次相続と二次相続の税額合計:ゼロ+770万円=770万円となります。

 

一次相続で配偶者の税額軽減を少し使った場合

一次相続の相続税額:315万円

(税額計算:以下は苦手な人は目を通さなくてもよいです)

1億円-4,800万円(配偶者と子ども2名の基礎控除額)=5,200万円

5,200万円×1/2=2,600万円 2,600万円×15%-50万円=340万円(配偶者の分)

5,200万円×1/4=1,300万円 1,300万円×15%-50万円=145万円(子ども1名の分)

340万円+145万円×2=630万円

配偶者が財産を5,000万円相続した場合の相続税315万円

 

二次相続の相続税額:80万円

(税額計算:以下は苦手な人は目を通さなくてもよいです)

5,000万円-4,200万円(子ども2名の基礎控除額)=800万円

800万円×1/2=400万円 400万円×10%=40万円

40万円×2=80万円

 

一次相続と二次相続の税額合計:315万円+80万円=395万円となります。

 

同じ財産の分け方を変えるだけで、

770万円と395万円の税額の差が発生してしまいます。

何度もお伝えしますが、分け方が変わっただけです!

 

まとめ

二次相続をセットで考えることの大事さを感じてもらえたでしょうか。

そうはいっても、配偶者の生活もありますので、極端はいけません。

ただし、税理士としては必ず伝えるべきことです。

 

お伝えしたうえで、配偶者の今後の生活に必要な金額を考えてもらい、

二次相続に備えることが出来れば、より良い相続になります。

 

相続が得意な税理士であれば必ずケアする部分ですので、

税理士を選ぶ際の参考にしてみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ひとり税理士として独立開業した京都在住の税理士です。ひとり税理士としてチャレンジしていること、考えていることなどを発信していきます。

目次