確定申告における障害者控除の注意点

ひらめく

3dman_eu / Pixabay

確定申告の時期が刻々と近づいています。

確定申告ついて、障害者手帳をお持ちでなくても、

障害者控除の適用を受けることが出来る場合があります。

障害者控除の要件

基本的には障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳の交付を受けていることが

必要な要件となります。

ただし、国税庁のHPによると、次に該当する人も対象となります。

精神又は身体に障害のある年齢が満65歳以上の人で、

その障害の程度が(1)、(2)又は(4)に掲げる人に準ずるものとして

市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人

その年の12月31日の現況で引き続き6ヶ月以上にわたって

身体の障害により寝たきりの状態で、複雑な介護を必要とする

(介護を受けなければ自ら排便等をすることができない程度の状態にあると認められる)人

寝たきり状態にある高齢者や認知症の高齢者については、

市区町村から「障害者控除対象者認定書」の交付を受ければ、

所得税と住民税について控除が受けられます。

お住いの市区町村の福祉課に相談してみましょう。

要介護認定の状況により、該当すれば認定書が交付されます。

(こちらも要確認です。https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1185.htm

例えば、東京都大田区ですと、以下のような親切な解説がHPにアップされています。

http://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/fukushi/kourei/nenkin_zei/youkaigoninteishatounokoujyo.html

とても丁寧ですね。

知らない人が損をする

これ、意外と知られていません。

なぜかというと、この制度は申請だから、自己申告だからです。

知らない人が損をします。

お客様にも手帳がないとダメという先入観があり。

また、扶養親族がこの認定書の交付が受けられる場合にも

障害者控除を受けることが出来ます。

納税者自身がこれに気づけるかどうかは難しいものがありますので、

会計事務所に確定申告を頼んでいる方は担当者が気付けるかどうかに掛かっています。

わたしの場合は、お客様から資料をお預かりする際に、このように伺っています。

「去年、おからだの調子に変わりはなかったですか?」と。

ご高齢の方は健康のお話が大好きですので(笑)、とてもよく話してくださいます。

その話の中で、介護のハナシ、認知症のハナシが出てくれば、要注意。

たかだか、障害者控除でしょと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、

少なくとも27万円の所得控除が受けられます。

27万円分の所得控除であれば、最低税率の場合(5%)、

27万円×5%=13,500円の税額が軽減する可能性があります。

事業をしている方ならお分かりになるかと思いますが、

合法的に27万円の所得を減らそう、経費を作ろうと思うと結構大変かと。

まとめ

税務では知らない人が損をすることが多くあります。

ただ単純な作業(今回の場合は医療費の集計)であれば、AIでやる時代はすぐそこに来ています。

人間だから出来ること、気づけることで差別化を図っていくことが今後は大切です。

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この記事を書いた人

ひとり税理士として独立開業した京都在住の税理士です。ひとり税理士としてチャレンジしていること、考えていることなどを発信していきます。

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