相続を考えるときに最も頭を悩まされるのが、分け方です。
誰に何を相続してもらうのか。千差万別です。
分け方のルールは民法
相続を考えるときに切っても切れないものは民法です。
民法では、誰がいくら相続できるのか、
基本的なルールが定められています。
遺言がある場合は、故人の遺志がそこに反映されており
誰が何を相続するか、亡くなる人が決めることができます。
亡くなる人は誰にでも財産をあげることができます。
遺言がない場合は、誰がもらうか残された人で決めます。
残された人のうち、民法で定められた相続人(=法定相続人といいます)全員で
何をいくら相続するか協議をします。
税金の計算は相続税法
一方、税金の計算は相続税法に基づきます。
民法上は相続財産ではないけれど、税法上はみなし相続財産として
取り扱う財産も有ります。
税金の計算は結果論です。
こう分けたので、いくらずつ税金が掛かりますということです。
税金の計算上、分け方が決まらないと適用できない特例が多くあります。
特例が適用できると取得する財産の価額は変わりませんが、
税金の計算上は価額を減額することが出来ます。
財産を残す人の考え方は?
遺言があっても、もめごとが少ないかといえばそうではありません。
重要なのは、財産を残す人が相続人にどれだけ
ご本人の考え方を伝えることが出来ているかです。
残された人が、なぜを知っているのと知らないのでは大きく違います。
長男には大学に入るのに多くのお金をかけたから、
その分、長女には現金を多くする、とか。
次男の配偶者に最後の何年も面倒を見てもらったから
感謝の気持ちとして財産を分けたい、とか。
理由は様々ですが、その部分を伝えることが大切です。
税理士は、税金が少なくなる方法を知っていますが、
こと相続に関しては、財産を残す人の考え方が最優先ですし、税金は最後の部分です。
税金のことを考える前に、分け方とその理由を財産を引き継ぐ人に説明できていると
もめごとはかなり少なくなります。