クラウド会計は育てるモノ

5arah / Pixabay

クラウド会計を導入すると、経理が楽になる。

確かにそうですが、誤解もあります。

 

クラウド会計とは

マネーフォワードやフリーに代表されるクラウド会計。

インターネットバンキングなどのデータから

自動的に仕訳を入力する、経理作業をするのが目的です。

サーバーもネットワーク上にあり、インターネット環境があれば

どこからでもアクセスできます。

データもパソコン自体ではなく、ネットワーク上のサーバーに保存できます。

 

今まではどうだったか(今もですが)というと

ソフトウェアをパソコンにインストールして、

伝票や領収書などの資料から、人間が手作業で入力していきます。

いわゆるデータ入力作業です。

 

お客様からのご質問で、

導入さえしてしまえばクリック一つ、ボタン一つで

自動で入力されるんでしょと聞かれることも多く。

 

半分あってて半分間違っているという感じです。

 

あってる部分、まちがっている部分

半分あってる部分としては、自動入力機能です。

 

特にインターネットバンキングやAirレジとよばれる次世代型のPOSレジと

連動がうまくできていれば、それこそクリック一つで自動で入力されます。

 

この、連動がうまくできていれば、がミソです。

 

半分間違ってる部分としては、

導入さえできれば、が簡略化されすぎていることです。

 

この導入が結構大変な部分もあり、尻込みされる要素になっているかと。

特に会計の仕訳を自動入力しようと思うと、

今まで人間が行っていた様々なルールによる判断を

ソフトウェアに覚えさせる必要があります。

 

例えば、預金通帳から売り上げを計上しようと思うと、

今までは通帳をみて入力をします。

1月19日(預金)100(売上)100 ㈱××商事

ですね。

 

これがインターネットバンキングでのデータになると、

日付  入金額  摘要     残高

1/19  100   ㈱××商事  1,000

となります。おおざっぱにですが。

 

ソフトウェアがこのデータを取り込んで、上記の仕訳を自動で入力するためには

㈱××商事からの入金が売上金額である、というルールを理解していないと

仕訳がうまく入りません。

 

クラウド会計は育てるモノ

クラウド会計を導入する際には、試行錯誤の連続です。

 

ルールを設定する

自動入力の内容を確認する

仕訳を修正する

ルールを修正する

 

この微調整の繰り返しが必要です。

人間はソフトウェアが正しい判断をするように

ルールを教えていく、つまり育てていく作業が重要となるのですが、

それには人間側が仕訳のルール、判断基準を明確に示すことが必要です。

今はまだ、あいまいなものを判断する能力がAIには備わっていません。

指示された通りにしか作業できないのです。

 

経理のルール、判断基準を明確にし設定をし修正をすることで

仕訳の自動入力能力が最大限に近づいていく。

人間がソフトウェアに簿記を教えているイメージです。

 

まとめ

クラウド会計の導入時には得意な税理士に頼んだほうが良い理由は

ここにあると言っても過言ではないかと。

 

また定期的なルールの見直しが必要にもなります。

ただし導入できてしまえば、今までの入力作業時間は段違いに少なくなります。

 

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この記事を書いた人

ひとり税理士として独立開業した京都在住の税理士です。ひとり税理士としてチャレンジしていること、考えていることなどを発信していきます。

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