相続税対策のススメ。死亡保険金の受取人変更。

ガード

edar / Pixabay

相続税対策をするうえでは、イロイロ気を付けることがあります。

本日は相続税対策あるあるのうち、死亡保険金についてお届けします。

 

死亡保険金の非課税

相続税対策のあるあるで、死亡保険金の非宇課税枠を活用する方法があります。

 

これは、相続税の計算上、

受け取った死亡保険金のうち、「500万円×法定相続人の数」までは

非課税=相続税をかけませんよ、という規定です。

 

例えば、お父さんが亡くなって、

残されたのがお母さんと子ども2人の家族の場合。

死亡保険金1,500万円を受け取った場合。

 

1,500万円-500万円×3人=0となり

相続税は非課税となります。

 

生命保険金はそもそも、残されたひとの生活保障が第一目的です。

この本質があるので、相続税を課税しすぎると主旨とちがうよね、

という社会的配慮があります。

 

ただ、実際には残されたひとの生活保障の意味合いに加えて、

その死亡保険金を納税資金として充てる、という意味合いを持たせることがあります。

 

上述の例でいえば

受け取った死亡保険金1,500万円で相続税を払いましょう、ということ。

この提案は金融機関の窓口や、生命保険会社の営業パーソンから

提案されたというハナシをよく耳にします。

 

現預金のままであれば1,500万円に対して相続税が課税されますが、

これが死亡保険になるだけで1,500万円が非課税になります。

このインパクトは結構大きいです。

 

相続税率が10%の場合、

1,500万円×10%=150万円が税金となります。

現預金→生命保険に組み替えるだけですので、お手軽ですね。

仮に利息がほとんどつかなくて、増えなくてもいいんですから。

 

この死亡保険金の非課税枠を最大限活用することで

相続税対策をすることが非常に多くみられます。

 

ただし!

死亡保険金の受取人には注意が必要です。

 

受取人は誰にしておくといいか

受取人に注意するとはどういうことか。

それは、配偶者が死亡保険金の受取人の場合です。

 

配偶者が相続税を支払うことはほとんどありません。

というのも、相続税は配偶者に対して優遇措置がイロイロあるのですが、

配偶者の税額軽減、という特例により相続税が結果かからないケースが多い。

 

配偶者の税額軽減についてはまた改めてお伝えしますが、

メッチャ簡単にいうと、

相続財産の半分又は1億6,000万円までは相続税がかかりません。

 

そこで、なぜ死亡保険金の受取人のハナシになるかというと、

死亡保険金で相続税を払いましょう、という対策。

配偶者は相続税がかからないケースが多いのに、

死亡保険金を受け取っても、その配偶者は相続税を払いません。

 

非常によく受ける質問で、

その配偶者が受け取った死亡保険金を子どもに渡して

子どもがその保険金で相続税を払えばいいんでしょ?と。

 

コレ、配偶者から子どもへの贈与です!!

死亡保険金については、税務署がかなり厳しく見ています。

当然、相続税の支払いのもとになったのは何?というところもチェックされます。

 

もし仮に、配偶者から子どもに死亡保険金を移して、

そこから相続税を支払っている場合、

受取人が子どもでない場合は、贈与税が間違いなく課税されます。

 

前述の例で、1,500万円を子ども2人に750万円ずつ渡して相続税を払った場合、

(750万円-110万円)×30%-90万円=102万円です。

無申告の場合にはペナルティ部分の税金が増えていきます。

 

良かれと思って、配偶者から子どもに死亡保険金を融通すると

贈与税の課税対象になることを覚えておきましょう。

 

死亡保険金で相続税を払うことを想定しているのならば、

その相続税を実際に払うことになるひとを死亡保険金の受取人にしましょう。

死亡保険金の受取人変更は、すぐに出来ます。

 

何も考えず勧められるがままに生命保険金に加入したならば

保険証書で死亡保険金の受取人を確認し、すぐに変更しておきましょう。

 

まとめ

相続税がかからないと思っていたら、贈与税がかかった、

何てケースは非常にもったいないです。

受取人変更だけでリスク回避できるので、ぜひ確認しましょう。

 

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この記事を書いた人

ひとり税理士として独立開業した京都在住の税理士です。ひとり税理士としてチャレンジしていること、考えていることなどを発信していきます。

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