おはようございます、京都の所属税理士takasago(@co_develop)です。
昨日、こんなニュースを目にしました↓
会計ソフトを利用して中小企業の経営支援サービスを強化しようという動き。
そもそも会計情報には、過去と未来があるのをご存知でしょうか?
この二つがあるということを知っておくことが会計情報を活用する第一歩になります。
会計情報の過去
昨日であっても、去年であっても
経理した結果を帳簿に記録すると、それはもう過去のハナシです。
決算は一年間の総まとめをして
一年間の利益を計算し、税金を計算して申告することで一区切りとなります。
昨日のレシートを今朝、整理しても昨日のコトを記録しているので
これも過去のことを記録しています。
どれくらいの頻度で帳簿に記録するかは自由ですが、
よりタイムリーに情報をつかむのであれば出来る限り毎日、
コツコツと帳簿を付けることをオススメします。
タイムリーな経理・帳簿記帳であれば、ほぼ今の状況が分かるので
何か問題があればすぐに対処できます。
帳簿をタイムリーに記録して、判断の根拠にすることが
よりよい経営判断に繋がります。
中小企業の社長さん、それも10年以上社長業をしておられる方で
時折、経理は任せっぱなしで自分自身の勘だけで経営判断をして
上手くいくかたがおられます。
そういうケースは非常にまれです。
日々の経理、帳簿記帳をコツコツとこなすことで得られる
タイムリーでかつ客観的な情報は、間違いなく経営判断のサポートになりえます。
税理士事務所でよくある関与の仕方として
記帳代行という帳簿に記載する行為を代行することがありますが
コレをするとタイムリーにはなりにくい。
↓
[kanren id=”1540″]
資金繰りの確認だってそうです。
一部上場の大企業ならいざ知らず、中小企業の社長さんの悩みは
資金繰りに関するものが大きなウェートを占めます。
でも、資金繰りを確認したり改善しようと思うと
根拠になる会計情報が必要となります。
また、中小企業の社長さんは日々の資金繰りに走り回り
不安な気持ちでいっぱいのことも多いです。
不安な原因は、状況がキチンと整理されず把握できないからです。
資金繰りの不安を少しでも解消するならばタイムリーな会計情報は必須です。
タイムリーな経理、帳簿の記入ができれば
試算表というデータで月々の成績や状況を確認できるようになります。
そうなると、次に打つ手がさらに有効になる、実際に改善される、
このイイ循環を生んで、より良い経営判断の一助に会計情報はなり得ます。
会計情報の未来
ぼくも含めて、多くの方は学生時代、
目標を持って勉強に取り組んでいたはずです。
テストでいい点が取りたい、イイ高校、イイ大学に行きたい、
そんな風に思うこともあったでしょう。
ぼくだってそうです。
税理士になるのを目標におよそ10年間税理士試験にチャレンジしました。
勉強に限らず専門的な職業訓練を受けたり、就職活動する際にも
目標を持って活動していたはず。
でも中小企業に目を向けると、目標なしで経営をしている社長さんが非常に多い。
例えば来年は最終の利益を5%上積みしたい、とか
大きな事業転換をしてブレイクスルーするために設備投資したい、とか
イロイロあってイイはずなんですが、
そこが非常にあいまいな場合が多いんです。
経営目標や数値目標を設定せずに走り始めてもいい成績は残しづらい。
特に数字という客観的な根拠なしでは、
刻々と変化する市場環境、経営環境に乗り遅れることになりかねません。
1年でも3年でもいいので、経営目標と事業計画をつくる、
これが未来のハナシです。
あるべき姿を思い描き
それを達成するための計画、作戦を立て
実際に行動に移し
結果を数字という客観的な情報で得て
反省し改善し次へつなげる
このサイクルをしようと思うと目標が絵に描いた餅にならないように
タイムリーな会計情報が必要になります。
そしてそのタイムリーな会計情報(過去のハナシ)と
経営目標を数字に落とし込んだ事業計画(未来のハナシ)とを比較することで
より目標に近づくための手段を考えることができます。
過去の会計情報と未来の会計情報は、車の両輪だと言われます。
どちらが欠けても上手く前に進みません。
頑張れば手の届きそうな未来を描き
それを実現するための情報を過去から集める必要があります。
なので、中小企業はタイムリーな過去の会計情報を得るために
自前で経理をし、自前で帳簿を記入する必要がありますし、
1年に一度でよいので、事業計画を立てることをオススメします。
まとめ
会計情報は過去と未来の両方がそろってその威力を発揮します。
中小企業の社長さんの経営判断のサポートと
気づきを得てもらうキッカケを作るのも税理士の大切な仕事です。
それにはコミュニケーションが大切ですし、一歩引いた視点が求められます。
申告書を作るだけならAIができる時代はすぐそこにきています。