民法改正で18歳成人になったら相続税への影響は?

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おはようございます、京都の所属税理士takasago(@co_develop)です。

先日、民法の改正が成立しました。

相続税と民法は密接に関係していまして、相続税への影響も多大です。

成人年齢が18歳になったらどんな影響が相続税に影響しそうかまとめました。

 

目次

成人年齢が18歳になったら

現行の民法では成人年齢は20歳です。

20歳になったらできること、として以下のことがあります。

 

  • 飲酒ができる
  • 喫煙ができる
  • 公営競技(競馬など)の投票券を購入できる
  • 法律行為(契約を結ぶこと)を親の同意なしにできる
  • 国民年金への加入義務が生じる
  • 親の同意なく結婚できる
  • 養親として養子縁組ができる
  • 有効期間10年のパスポートが作れる

こんなところでしょうか。

 

2016年には公職選挙法の改正により選挙権が

20歳から18歳へと引き下げられました。

 

ただし、改正民法が施工されて成人年齢が18歳になっても

飲酒や喫煙、公営競技の投票券を購入したりはできません。

 

飲酒については未成年者飲酒禁止法に、

喫煙については未成年者喫煙禁止法に、

競馬については競馬法に、

それぞれ未成年者についての規定があります。

この規定については必要に応じて20歳未満と改正される予定です。

「未成年」のままだと民法と連動して18歳になってしまうからです。

 

こういった法律はこちらのサイトで見ることができます。

あわせて読みたい
e-Gov 法令検索 電子政府の総合窓口(e-Gov)。法令(憲法・法律・政令・勅令・府省令・規則)の内容を検索して提供します。

電子政府の総合窓口e-Govというサイトで法令検索ができます。

もちろん法令の中身も確認することができます。

 

ぼくも初めて競馬法を見てみたのですが

非常に興味深く読むことができました。

職業病ですかね(笑)

 

例えば法人税法関連であれば

法人税法、法人税法施行規則、法人税法施行令までカバーされています。

 

理論サブノートや理論マスターはこれらの法律を

ある程度読みやすくしたものでもあるので、興味があれば覗いてみてください。

 

特に税法初学者の方は、これからバンバン法律用語というか

見たことない用語がいっぱい出てきます。

定義について理解していないと頭の中がゴチャゴチャになるので、

定義の部分に目を通しておくことをオススメします。

それはさておき。

20歳という年齢での制限がある相続に関する項目

主に未成年者についての規定や制限については以下のようなものがあります。

 

未成年者控除

未成年者が相続又は遺贈により財産を取得した場合で、その財産を取得した者が

原則日本に居住しており、20歳未満で法定相続人であれば

相続税額を控除することができます。

 

相続開始時点の年齢(端数は切り捨て)から20歳に達するまでの年数1年につき

10万円を乗じて計算した金額

(例)12歳10ヵ月で相続開始した場合

12歳10か月→12歳 (20歳-12歳)×10万円=80万円となります。

 

これが18歳に達するまでの年数になる可能性があります。

すなわち控除額が減少する可能性です。

納税者不利に働きますね。

 

特例贈与財産にかかる特例税率

直系尊属(父母・祖父母など)から、その贈与があった年の1月1日の時点において

20歳以上の者に贈与があった場合には、一般税率よりも優遇された税率を用いて

贈与税額を計算します。

 

20歳以上の者が18歳以上の者に引き下げられる可能性があり

そうなると早い段階で特例税率を利用できる可能性があります。

早い段階での特例贈与税率が促進されるので納税者有利です。

 

でも名義預金も促進することになりそうで

その点がぼくはコワいですが(笑)

相続時精算課税による贈与

贈与の年の1月1日において、60歳以上の父母又は祖父母から、

その年の1月1日において、20歳以上の子又は孫へと

贈与する場合に選択できる贈与の制度です。

 

20歳が18歳になれば、これも前述と同じく

早い段階での相続時精算課税の選択ができる可能性があります。

 

この制度は2,500万円まで非課税で財産を贈与できるのですが、

この制度の名前通り、相続の時に精算(相続財産に足し戻し)するものなので

あくまで繰延の性質が強く、これでお得になるケースは少ないです。

 

精算課税制度は課税の繰り延べ性質が強く

かつ一度選択すると撤回できないので、慎重な判断が必要です。

 

精算課税制度に関する記事はこちら

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民法の改正に則した相続税法の改正は今から検討に入ります。

民法で規定したことを相続税の計算に落とし込むための改正です。

個人的には20歳が18歳へと一律で変更になるのではと思っています。

なぜかというと何度も言うように相続税法は民法とセットだからです。

まとめ

未成年の相続人がいるとまた別の問題(特別代理人と法定相続分)があるので

そのあたりとの関係をしっかりと注視していく必要もあります。

 

税金は税法=法律に規定されており、法律は常に改正の議論がなされます。

また課税実務上のトレンドや取り扱いも変更になることがあるので

情報を収集し、整理し、実務で困らないように

税理士になっても勉強を継続する必要があります。

でも試験勉強とは違って興味深いモノばかりですよ。

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この記事を書いた人

ひとり税理士として独立開業した京都在住の税理士です。ひとり税理士としてチャレンジしていること、考えていることなどを発信していきます。

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