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相続税の申告書に職業欄がある理由

職業

おはようございます、京都の所属税理士takasagoです。

相続税申告書をひたすら作成する毎日を過ごしております。先月も5件の相続税申告書の請求をおこしました=申告書作成完了という意味。

先日お客さまから相続税申告書に職業欄があるがここから何を判断しようとしているの?というナイスなご質問をいただきましたので解説します。

 

職業欄で分かるコト

相続税の申告書には被相続人=亡くなったひと、相続人=財産を相続するひと、それぞれの氏名・生年月日・住所・電話番号などを記載する部分があります。

職業欄

 

職業欄を書かせることで何を把握しようとしているのかというと。

特定の職業であれば相当の給与・所得があったはずなので、これまでの税務署側の経験からそのひとの財産として多いか、少ないか、をある程度判断していると思われます。

 

例えば、亡くなった方がお医者さんだった場合。

開業医か勤務医かで分かれるところでしょうが、それなりにお給料・所得が多い方が多いです。

 

また、生前に所得税の申告書などを提出したことがあれば、所得から想定される生活費を引いて、なんとなくこれぐらいは残っているかなぁという推計を税務署側で考えている場合があります。

 

で、提出された相続税の申告書の内容とその推計値に大きな差異がある場合、「なんでだろう」とやはりなる可能性が高いです。

 

職業から想定される財産の規模、というのがあるようで、会社役員や医者、弁護士など比較的高額所得のかたについては、財産規模でチェックされることになります。

 

また、亡くなった方の配偶者のかたの職業もポイントです。

相続税の申告では、申告書提出後に税務署内で机上調査が行われます。申告書の内容を精査するといった感じです。

 

その税務署内調査の段階で、亡くなった方を含む親族の預金口座の移動履歴というのがチェックされ、亡くなった方と親族の間でおカネのやり取りがないか、確認します。

それと職業とどう関係してくるかというと。

 

例えば亡くなった方の配偶者の方がいわゆる専業主婦だった場合。

亡くなった方が財産1億円で、配偶者の方が財産5千万円の場合。

皆さんはどう感じるでしょうか?

 

配偶者の方の財産規模が大きいなと感じるのではないでしょうか?

そう、ご結婚されて以降、ずっと専業主婦だったのになぜこんなに財産があるのか。

贈与なのか、ひょっとして名義預金なのか?そういうモノの見方を税務署はしてきます。

こうなるとやっぱりハナシを聞いておこうか、という流れになるわけで。

 

じゃあ、職業欄になにも記載しなくてもよいかというと。

実際には記載しない場合もありますが、特段書かれたくないというご要望がない限り、記載するコトが多いです。

記載していないと受理されないとかそういうことはぼく自身は今までなかったです。

 

税務署が本気で調べればわかるコトではあるので、いらぬ詮索を招きたくなければ書いておいても良いかなと。

生前の様子、お仕事のヒアリングはやはり必要

相続税業務の場合、生前の様子をこちらが知らないケースが多いです。

特に、会計事務所の顧問先の会長・社長・役員が亡くなった場合には、生前に接触していますのである程度の人となりや生活の様子が垣間見えます。

 

しかし、今まで関与がなかったかたの相続税の申告業務の場合は、亡くなった方の様子、お仕事、趣味などは相続人の方に伺うことになります。

 

このような申告と直接関係がないと思われる項目のヒアリングは相続税の申告書を作成するうえでかなり重要です。

 

財産がある程度以上あるので相続税が課税されているわけです。ではその財産は構築された要因は何だったのか。

お仕事で役員を務めておられたとか、相続したものとか、バブル経済期にうまく増やせたとか、株が大好きだったとか、そういうハナシは丁寧に伺うようにしています。

 

相続税の申告は初めて、かつ税理士慣れしていないかたが相続業務のお客さまでは大半を占めます。

そうでなくても税理士が来ると聞くと相当に緊張するかたもおられて。

 

そういうかたからいきなり財産の内容をお伺いしても、うまく話ができないこともあります。

なので、まずは生前の様子、お仕事、打ち込んでおられた趣味のハナシ、亡くなるまでの経過、などお話ししやすいコトからお伺いしていくことが大切だとぼく自身は考えています。

まとめ

相続業務は評価ももちろん大事ですが、それと同じくらいお客様、相続人の方から生前の様子を伺うヒアリングが重要です。

そこがおろそかだと、いわゆるツッコミどころの多い申告書になりかねません。

丁寧にかつお話ししやすいように誘導して、こちらが聞きたいコトをうまくヒアリングできる能力をさらに磨いていきたいです。