記帳指導を過去2年間担当して心がけて気を付けていたことについて整理しておきます。これから受任しようかなと思っている方の参考になれば幸いです。
記帳指導は割と手間がかかる IT、DXからは遠い
自分宛てに仕事の依頼がある、というわけではなく税務署や商工会議所などのとりまとめ機関が割り振っていきます。
なので税理士が担当先を選んだり、反対に選ばれたり(割り振りはされますが)ということはないです。
この時点で普段の仕事とは違います。
選び選ばられるように仕事の依頼をしてもらうことも増えてきていますし、紹介であってもお断りすることもあります。
担当するとお断りは向こうから記帳指導そのものをやめたいとおっしゃるケースぐらいしかないです。
あとは自分の体調不良等の事情がある場合ぐらいかなと。
割り振りが決まるとその方に連絡を取ってサポートをしていくわけです。
その段階で相手方がIT関係、オンラインでのミーティングや画面共有ができるかどうかが結構ポイントになります。
コロナ禍の期間における記帳指導ではオンライン推奨でしたがあくまで推奨。相手方がパソコンが苦手だとオンラインの選択肢はないです。
こういったことのギャップがかなりありますので、普段はオンラインで仕事をしているのがメインという税理士の場合は面食らう可能性はあります。
また、税務署とのやり取りも郵送、紙資料で、というのは変わりませんのでそのあたりも許容できるかどうかです。
わたしが初回に記帳指導担当をしたときには困ったことは少なかったのですが、2回目(前回)に担当したときにはかなり大変でした。
キャンセルが多く、連絡もつかないみたいなことが頻発したのです。
相手方は無料で受講できると思っていますからキャンセルしても平気なんですよね。
普段きちんと申告をしていてちゃんとやりたいという意識が強いかたはそういうことはないのですが。
前回はキャンセルが多く、そのあとまた追加されてもまたキャンセルとなったりして、選び方に問題があったのではと思いたくなるぐらいでした。
記帳指導そのものよりもこういった仕事の進め方の部分で自分のポリシーと違うことが大いにあり得ますので、もし今から記帳指導の仕事を請けようと思うのであれば考慮しておいた方がよいです。
それでも請けていた理由
それでも仕事として請けていたのは、興味があったというのがまずひとつです。
税理士登録したり開業してからでも最初のうちしかあたらないというか担当できない業務とされています。
どういった仕事をしている人を担当になるかがこちらでわかりませんので、ある意味出たところ勝負ではありました。
でも普段自分が接することがない業種のかたの仕事の裏側というか、どういう風な仕事をしているのかを会計的な面から記帳指導を通じて観察できるというのは税理士業ならではじゃないかなと思っています。
好奇心を持って仕事をしていてお客様の課題について提案できることを増やしたいという向上心も持って仕事に取り組みたいと考えています。
そういった自分のスタンスがあったのでまぁ最初のうちしかできなことだろうしやってみようかなというのがお請けした理由です。
面白い人と出会えるかもしれないというのも記帳指導の業務を請けた理由です。
ふだんからあまり刺激のない仕事をしていると新たな出会いというか面白い人に出会う機会というのがどうしても減りがちです。
そういう意味では自分が普段関わらないところ、こちらの意思が働かないところで選ばれて割り当てられたひとと接する機会というのはある意味貴重です。
そういったかたとのコミュニケーションや仕事から得られるものもあるのではないかなと。
今後のご依頼について期待するというよりかはそういった好奇心を満たしたり、面白人と出会う機会、わたしの場合は書き物の仕事が多いのでどういうことに困っていたりするのかを知れる機会になっていました。
動機はいろいろあって良いと思いますが、違った視点で仕事を請けることもたまには良いかもなと。
まとめ
今年はどうなるかまだ未定ですが今の時点で連絡が来ていないのでおそらく担当することはなさそうです。
記帳指導のお仕事を請けると税務署の担当官ともコミュニケーションを取ることになりますし、普段接さない可能性があるかたを担当することで刺激にはなるでしょう。
もし独立したてで少し手が空いているなら請けてみるのもよいかなと。
わたしが担当していたのは税務署から所属支部への依頼としての記帳指導ですが、ほかにも地域によっては商工会議所経由だったり、納税協会(近畿圏以外だと青色申告会など)が主催のこともあるようです。そういった主宰するのがどこかの違いもあるかもしれませんね。