税務の本でもAIの本でも独立の本でもなく、最近は夜に仕事と関係のない本を読んでいます。
意識してそうしているわけではなく、気づいたら手元にある本がそういうものばかりになっていた、という感じです。税務の話でも、AIの話でも、独立の話でもない。今日はそのことを少し書いてみます。
読んでいる本の話
最近ハマったのは、砂原浩太朗さんの『藩邸差配役日日控』と、その続編にあたる『藩邸差配役日日控 星月夜』です。
江戸の藩邸でいろいろな揉めごとをさばいていく差配役が主人公の時代小説で、短編がいくつか連なる構成になっているので、夜に一話ずつ読むのにちょうどいい。
以前から作品を手に取っていた作家さんなのですが、このシリーズはとくによかったです。
ついでに白状すると、この連載を読みたいがために『オール讀物』を買いました。
文芸誌を買うなんて、たぶん十年以上ぶりです。雑誌の棚の前で、こんなところに自分が立つ日が来るとは、と少しおかしくなりました。
それから、以前から続けて読んでいるのが英国ミステリーのワシントン・ポー・シリーズで、最近読んだのは『ボタニストの殺人』。
こちらはずっと追いかけているシリーズで、新刊が出ると条件反射のように買ってしまいます。
おすすめかどうかと言われるとよくわからないですが、いまの自分にはどれもよく合っていました。
仕事と関係ない本を読む時間が、なぜか必要になってきた
確定申告のシーズンが終わり、そのあともAI関連の情報をずっと追いかける時期が続きました。そういう期間のあとは、頭が「インプット疲れ」のような状態になっているのを感じます。
それともうひとつ、最近、月次顧問の受付を停止しました。時間的な余裕がいきなりたくさん増えたかというと、正直まだそこまでではありません。
ただ、精神的な余裕のようなものが少し生まれた気がしています。「常に何かを抱えている」という感覚が、以前より薄くなった。
その効果なのか、仕事と関係のない本を読めるようになったり、新しくゲームを始めたりということができ始めました。
最近やっているのは『PowerWash Simulator』と『Dave the Diver』。汚れを洗い流すだけのゲームと、潜って魚を獲ってくるゲームです。
書いていて我ながらおかしいのですが、どちらも仕事にはまったく関係がなくて、そこがいい。
少し前までは「どうせ読むなら仕事に活かせる本を」という気持ちがどこかにありました。
けれど、それが一周まわって、「いま自分が読みたい・やりたいのはこれじゃないな」というところに着地したような気がします。
仕事の役に立てようという目的をいったん降ろして過ごす時間が、なぜか必要になってきたようです。
読んでいて気づいたこと——遠回りが意外と役に立つ
おもしろいもので、仕事とまったく関係ない本を読んでいるのに、ふと気づくと仕事のことを考えている自分がいたりします。
ゲームで黙々と汚れを落としているときも、ふっと頭の片隅で別のことが整理されていたりする。
時代小説で人と人のあいだを取り持つ差配役を見ていると、立場の違う相手の話を整理して落としどころを探る、という構図に、どこか自分の仕事と通じるものを感じたり。
ミステリーを読んでいれば、断片から筋道を立てていく感覚に、なるほどと思わされたり。
もっとも、それを「だから読書は仕事に役立つ」とまとめてしまうと、なんだか違う気がします。
役に立てようと思って読んでいるわけではなくて、結果的にそういうこともある、くらいの距離感がちょうどいいです。
よりみちのつもりが、気づくと元の道のことを考えている。ひとり事務所をやっていると、そういう遠回りが意外と効くのかもしれません。
しばらく仕事から離れた本ばかり読んでいましたが、こうして書いていると、また少しずつ専門の話を書きたい気分にもなってきました。
休んでから、また動く。そういうリズムで、来週からまた進めていきます。
