タイムリーな試算表(月次決算)の重要性が増している

月次をタイムリーに

月次をタイムリーに

おはようございます、京都の若ハゲ税理士ジンノです。

新型コロナウィルス関連の融資や給付金の情報が日々更新されています。ご自身が受けられるか、また受けられるとしたらいくらか、という確認が必要になってきます。

この確認や判断において重要なのが、「去年の売上と比較して〇%減少」というキーワードです。タイムリーな試算表(月次決算)の重要性がいま非常に増していますので、その点を踏まえて解説します。

 

目次

月次決算をタイムリーにしたほうがいい理由

月次決算を使って何をするかによってタイムリーにしたほうがよいか決まってきます。例えば、毎月の数字を把握して資金繰りを確認したい場合はどうでしょうか。

 

資金繰りというのはおカネの流れと現状を把握することがとても重要になってきます。いつの時点で支払金額がいくらあるのか、いつの時点で入金があるのか、そういうことを細かく把握する必要があります。

 

入出金に関して毎月月末にあくせくして金策に走る、というのはやはり大変です。多少なりとも余裕のある資金繰りであれば、次の一手を打つための時間を確保することができます。

資金繰りというのは方向性としては後ろ向きです。これを前向き、未来のことを考える時間に転換しようと思うとタイムリーに数字を把握しておくことがとても重要になってきます。

 

今年の1月の時点でいまの状況を予測できた人はかなり少ないと思いますが、手元の現預金がいくらあって、いつまでなら事業を継続できるか、そういうことも現状が分かっているからこそ判断できることでもあります。

 

いまの時点で例えば12月までの会社の数字しか把握していないことは、今後の事業継続において対応が後手後手に回る可能性が非常に高くなります。

 

経営者の中にはご自身がお持ちの勘を大切にしておられる方も多いです。もちろんその長年培ってきたことから醸成された勘も大事ですが、勘に頼りすぎることも同じくキケンです。

 

勘ではなく客観的な数字をもっていろんな判断をする必要性があり、タイムリーな月次決算によって次の一手を考える判断の補助だと考えてもらえるとよりわかりやすいでしょう。

 

いまの時点で3月の数字を把握できるのがいつ頃になりそうか、想像しているでしょうか。3月の月次決算の数字を4月の半ばに確認できるのか、GW明けになるのか、はたまた7月に確認できるのかは大きな違いがあります。

 

タイムリーに月次決算を作成しようとすると正確性を多少なりとも犠牲にする必要も出てきます。最終的には正確な数字を持って期末決算を行いますが、細かい数字が正確に計上されている月次決算を把握することは一朝一夕にはできません。

 

即時性と正確性を天秤にかけたとき、月次決算においては正確性よりも即時性を優先するほうがよいです。ただしどこまでを細かく把握するのかしないのかの線引きも同じく重要です。

 

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去年と比べてどうか=数字を把握する必要がある

2020年4月15日現在で、コロナウィルスにより事業に影響がある事業者に対して各種融資や給付金、助成金が公表されています。

 

融資に関していうと

日本政策金融公庫から「新型コロナウィルス感染症特別貸付」という制度が実施されています。また同じく日本政策金融公庫の「セーフティネット貸付」についても条件緩和がなされています。

 

「新型コロナウィルス感染症特別貸付」については「最近1カ月の売上が前年同月または前々年同月と比べて5%以上減少している」ことが要件としてあります。

セーフティネット貸付については条件緩和がなされており、売上の減少に関わらず資金繰りが今後厳しくなることが予想される事業者についても対象になっています。

 

売上の減少についてタイムリーに把握しておく必要があり、申し込みにおいてもその数字を具体的に記載することが求められています。

コロナウィルス感染症特別貸付

 

また持続化給付金については計算方法が少し複雑になっていますが2020年4月14日現在において公表されている限りでは、昨年同月の売上との比較が必要です。

持続化給付金はこの記事を執筆時点においては2020年1月~12月の1年間にわたり判定の期間とされていますので、今の時点で昨年同月の売上と比較して50%以上の減少ではなくても、今後の動き次第では5月や6月において判定することが可能です。

持続化給付金①

持続化給付金②

 

 

そうなると数字をタイムリーに把握しておくことの重要性がさらに増してきます。

いまの時点では事業をいかに継続していくことを考えることと同時に、必要な融資や給付金を受け取るために月次決算を早く締める、完了させていくことも意識していただいたほうが、必要な時に必要な援助を受けることが可能です。

 

より速い事業の継続性判断と援助のためにも、月次決算、試算表の迅速化を目指していきたいところです。

 

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まとめ

いま非常に状況が厳しい事業者さんも多いかと思われますが、やるべきことをやっていくしかありません。

そのやるべきことの中に月次決算もいれていただくと、今後のためにも動きが良くなっていきます。

もちろんこちらもしっかりと動きを早めていく所存です。

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この記事を書いた人

ひとり税理士として独立開業した京都在住の税理士です。ひとり税理士としてチャレンジしていること、考えていることなどを発信していきます。

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