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読書リスト バッタを倒しにアフリカへ

バッタ

Agzam / Pixabay

読書リスト「バッタを倒しにアフリカへ」。

ある研究者の、バッタとの闘い?

フィールド研究の面白さ・醍醐味を感じられる、読み応えのある本でした。

 

 

あるバッタオタクのハナシ

 

著者は幼いときにファーブル昆虫記に出会った、昆虫学者を目指す、

いわゆるポスドク=ポストドクター。

大学院の博士課程を修了して昆虫学者として一人前になる途中の段階の研究者です。

 

ここでいう一人前とは著者の言葉を借りれば

昆虫の研究ができる仕事に、任期付きではなく任期なしで就職することだ。

とのこと。

 

ポスドクは、研究の世界では博士版の派遣社員であり、

著者自身もバッタのようにあちらからこちらへと、職を移っていきます。

 

好きなことでメシが食えるならばそれが一番ですが、

特に社会的に需要が少ないと思われる昆虫学者は、

この任期なしでの就職は、かなりの高倍率のイス取りゲームになります。

 

そこをどれだけ勝ち抜いていけるか、

フィールドワークに取り組むポスドクの経済状況も

税理士という立場からフィールドワークできます(笑)

 

でも著者はそこもある種、楽しんでいるようにぼくには感じました。

自分の苦境をエネルギーに変える、その力を見習いたいなぁと。

 

バッタを求めて、アフリカはモーリタニアへと渡った著者には

現地でも様々な試練にぶつかります。

 

郷に入れば郷に従え

本書を読むまでぼくは

バッタによる食害がアフリカで飢饉を起こすほど深刻であるコト

モーリタニアがフランス語圏であるコト

モーリタニアがイスラム教の信者が多いコト

など、知らなかったことを知ることが出来ました。

 

この「知らなかったことを知る」ことは

読書の楽しみのひとつでもあります。

 

本を読むことで、通常では体験できない

アフリカにバッタを研究しに行く、という疑似体験ができます。

 

大量発生したバッタはあらゆる地上の植物を食い荒らす害虫ですが、

現地のひとびとにとって、もちろん駆除すべき対象です。

 

ただ、大量にバッタが発生するメカニズムはハッキリしておらず

その根本を解明するには、バッタをつぶさに観察し、駆除に役立てなければなりません。

 

ここに、「バッタを倒したいモーリタニア人」と「生きたバッタを研究したい日本人」

との間に大きな認識の違い、方向性の違い、ギャップが生まれます。

 

しかし、著者はこれを話し合いを通じて理解を得たり

ときには現地の文化をうまく取り入れたりして、

コツコツと克服していきます。

 

まさに郷に入れば郷に従え、を地で行く著者。

その姿をユーモラスを交えて、軽快にかつ分かりやすく

つづられている本書を読めば、きっとあなたも著者を応援したくなります。

 

まとめ

本のタイトルは「バッタを倒しにアフリカへ」となっていますが、

本当の目的は裏表紙に書かれています。

是非手に取って、確認してみてください。