フリーランスの住民税を解説します

住民税

住民税

※ぼくの住民税通知書。なぜかいい具合にモザイクがかかっているのでそのままにしています。

髪は薄いが信頼は厚い、京都のひとり税理士ジンノです。

本日はまじめな話をします。(いつもはどうやねんというのはナシです)

フリーランスの住民税について解説させていただきます。何故かというと遂にぼくにも住民税の通知が来ちゃったからです。(内心はチッという気持ちがほんの少しあります(笑))

 

目次

フリーランスの住民税

たまにあるのですが、お客さんや相談者の方から、「いいわねぇ、税理士さんは税金を払わないんでしょ?」って言われます。(まるで合法的に税金を納めない方法があるかのように言われることもあります)

 

心の声を今ここで大にして言わせてもらいますと、「そんなわけあるかいな」です。

 

公務員だって税務署の人だって税理士だって税金は払います。

じゃあ普段から税金の計算をしてお客さんに納税をお願いする立場の税理士は自らすすんで(ココ大事)税金を払いたいか聞かれると多分みんなこう言うと思います。

「そんなわけあるかいな」(パート2)

 

税理士だって自営業、フリーランスなわけです。税金を納める痛みというのはフリーランス一般の方と同様。

むしろ普段から税金の計算をしていてある種、自分のコトは棚に置いている状況ですから、みなさん以上に払いたくないと思っているとかいないとか。

 

そんなフリーランスの方で給与所得から独立して開業した場合には住民税の通知がある日突然、無慈悲にも届きます。

 

急に通知が来てぼくのように落胆または焦ったりしないように本日はフリーランスの方向けに住民税のことを少しお伝えさせてもらおうじゃないか、という意欲がモリモリと湧いてきました。

 

住民税の計算構造

住民税の計算は1年間の所得をベースに計算されます。

例えば今年納めるべき住民税の計算のもとになる所得は2018年の1年間の所得です。

 

普段は所得税の確定申告だけしかしてなくても、所得税の確定申告書の内容というのはお住いの自治体に送られますので、その情報をもとに住民税の金額が計算されます。

 

またお給料をもらっている人の場合には、年明けに源泉徴収票と同じような内容の書類(給与支払報告書)というものが、お勤めの会社から各自治体に送られます。

 

よって、フリーランスの場合には、所得税の確定申告をしていれば自動的に、会社などにお勤めで給与所得がある場合にも自動で住民税の計算が行われる仕組みがすでに出来上がっております。

 

住民税の支払い方法

給与をもらっている場合には、毎年6月から翌年5月までの12ヶ月でお給料から天引きされて住民税を支払っていて、この会社に天引きされてお支払いしている方法のことを特別徴収と言います。

 

フリーランスの方でお給料がない場合には、毎年5月にその年に納めるべき住民税の通知がお手元に届きますので、全期分を納めるか4期に分けて納めるかする必要があります。この納め方のことを普通徴収と言います。

 

フリーランスが増えてきたとは言え、給与所得の方はまだまだ多い状況で、給与からの天引きを特別徴収と呼ぶことに違和感を少し感じますが。

 

お給料で生活をしている場合、お給料から天引きされるものはたくさんあります。社会保険料、雇用保険料、源泉徴収所得税、住民税が主なものです。

 

給与時代には住民税も所得税も払っている感覚が非常に薄いというのが特徴でして、会社を辞めたり、独立したりすると、ぼくのように通知が届きます。

 

内容としては、給与で天引きしていた住民税が給与がなくなって天引きできなくなったので、残りの分(退職から翌5月までの給与から天引きする予定だった住民税)を払ってちょうだいね、という通知がきます。

 

ぼくの場合は2019年1月に独立したわけなので、今の時点で通知が来る住民税の課税のもとになった所得は、2017年分の所得がベースです。

 

2017年分の所得に対する住民税を、2018年の6月から2019年の5月まで分割して支払う予定でした。それが分割で天引きできなくなったので、2019年1月分から5月までの分の通知が届いたのは昨日。

 

納付期限も結構ギリギリの4月1日ですので、給与所得の方で退職から次の5月までの期間が長いと、通知が来た時に「エッ!!」となるわけです。

 

資金繰りについても退職時にはよく確認しておいたほうがいいでしょう。

よくあるご質問

ここからはよく耳にするご質問についてお応えしていきます。

 

年の途中で引っ越ししたんだけど住民税はどこに納めるの?

その年の1月1日に住所がある自治体に納めます。1月1日から通知が届く5月までに引越しをしても、1月1日に住所があった自治体に納めることになります。

 

資金繰りが厳しいので分割できるの?

自治体によるところがありますが、事情を説明して書類を提出すれば分納に対応してくれると思います。

 

住民税の申告書は出したほうがいいの?

所得税の計算方法と住民税の計算方法で違うものを選んだり、という特殊事情がなければ所得税の確定申告書で十分な場合が多いです。

 

年の途中で亡くなった家族の名前で通知が来たけど納めないといけない?

年の途中で亡くなっても、去年の所得に対して課税されるので、去年の所得があって今年の1月1日にご存命ならば納税義務があります。ただし、1月2日から亡くなるまでの期間までの分です。

 

住民税は住んでいる自治体で異なるの?

税率は日本全国で統一されているので、住んでいる自治体による違い、例えば都会が高い、ということはありません。違いがあるとすれば森林環境税などの名目で自治体独自に賦課されている項目による違いです。税率の調整が入っている場合もあります。

 

副業をしているが給与からその副業分の住民税を特別徴収されると副業が会社にバレると聞きましたが何か方法はありますか?

給与以外の所得に対する住民税は給与から天引きしないで納める方法が選択できます。

 

独立開業してから住民税を納めましたが、事業経費になりますか?

残念ながらなりません。

 

この辺りがよく聞かれる住民税に関する疑問ではないでしょうか。

まとめ

お勤めしていて給与をもらっている場合、源泉所得税と同じく住民税も納めている感覚が非常に薄い税金の一つです。

急に通知が来て焦ることもありますので、独立開業する場合にはいくらぐらいの住民税の残りがあるかは確認しておいたほうが良いでしょう。

もし本当に資金繰りなどで困った場合には、市町村役場に相談し、しかるべき措置をとりましょう。通知が来てもほったらかしが一番危険です。

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この記事を書いた人

ひとり税理士として独立開業した京都在住の税理士です。ひとり税理士としてチャレンジしていること、考えていることなどを発信していきます。

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