相続業務をやるようになったキッカケ

偶然と必然のはざまで

偶然と必然のはざまで

おはようございます、京都の若ハゲ税理士ジンノです。

同業の方と話をしていると「相続がやれるのは強み」と言われるのですが、「何かキッカケがあったの?」と聞かれることもあります。

振り返ってみるとたまたまだったかなと思う部分もあれば、ひょっとしたら、と思うこともあるのですこし掘り下げてみます。何がキッカケになるかは分からないものです。

 

目次

人間の生き死にに触れる職場だった

税理士業界に入る前は医療法人で医療事務を4年間やっていました。

 

大学に入るのも遅かったし就職で苦労した(リーマンショックの翌年)ので、大学で在学中に簿記論と財務諸表論を取得していましたが、税理士法人等への就職はかなわず、大学4年の年明けに就職が決まるというかなりに滑り込みの状態でした。

 

経済状況も良いとは言えず大学院に来ないかとゼミの指導教授にもアドバイスを頂いたのですが、仕事をしながら税理士科目を揃えるというのが現実的だったので、とにかく正社員で仕事につけることを目指していました。

 

大学の就職課から紹介されて医療法人面接に行き内定をもらったのですが、その時点で医療事務に関する知識は全くなくてどんな仕事をするかよく理解していなかった部分もあります。

 

就職して少し経つと医療事務として当直業務が始まったわけですが、二次救急病院で脳外科がメインの病院だったのでそれなりに当直帯も忙しくまた亡くなる方も多かったです。

救急で来られて亡くなる方もいらっしゃれば病棟で亡くなる方もいらっしゃって、そういう時には病棟の看護師さんからご家族さんを呼んだので対応お願いしますと連絡が入ります。

 

事務当直の仕事としてご家族さんがいらっしゃった時に起きていなければいけないかと言うとその辺りは一任されていました。

僕自身は夜中であっても基本的に起きていて税理士試験の勉強をコツコツやっていましたし、ご家族さんが来られた時に眠くてだるそうに対応されるとあまり印象として良くないかなと思っていたので、そういった連絡があれば起きて対応していました。

 

お亡くなりになった連絡が病棟から入るとお迎え(葬儀屋さん)が来る目安の時間を知らされますので、霊安室の準備をして葬儀屋さんが来るの待ちます。

 

最後のお見送りは当直帯のドクターが立ち会うこともあるのですが基本的に看護師さんがメインなので、可能な限り一緒にお見送りをしていました。

 

看護師さんお一人でお見送りするというのもなんだか寂しいなぁと思うのもあって誰に言われるでもなくお見送りしていたんですが、そういう場面に接するとやはり人間の生き死にを身近に触れる機会だったのかもしれません。

 

所詮は医療事務ですから患者さんに対してできることなんかほとんどないわけですけど、就職したとき理事長から頂いた言葉が胸に残っていて、

「医療事務の仕事は病院の入口(受付)と出口(会計)。病院の印象を左右し、病院が運営するために必要な仕事(診療報酬を請求)だから頑張って下さい」と。 

 

四年間でたくさんの経験をさせてもらいましたが、もちろん元気に帰っていかれる患者さんもいて、残念ながら亡くなる方もいて、直接患者さんと接する機会はほとんどなかったのですが、人間の生き死にを垣間見る立場にいたんだなあと今にして思います。

 

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たまたまでもあり必然でもあり

医療法人で四年間の勤務の間、法人税法にチャレンジし三度目の正直で何とか合格することができました。簿記論と財務諸表に加えて法人税法に合格したことで税理士への道が少し拓けてきたように感じ、税理士業界への転職を選択します。

 

それまで全く会計ソフトを触ったこともなく、業界に就職したこともなかったので全く先入観というのはなかったのですが、面接の時にはよくどんな業務をしたいか聞かれたものです。

 

2年間の実務経験が税理士登録には必要ですが具体的にどういうものが実務経験になるのか全く理解しておらず、法人の決算をし申告書を作り、個人の確定申告をするというイメージをぼんやりと持っていました。

 

最終的に三つほど面接を受け一つに決めたわけですが、その最終の面接の時に今いる担当者の方が相続に関する部署で退職するにあたりそこに入ってもらうと。

 

相続に対するイメージは全く湧いていなかったのですが、 その時は平成26年の初めの方で、平成27年から基礎控除が改正になるので相続業務はおそらく忙しくなるから経験として非常に積みやすくなるよ、と面接の際に言われたのは決め手のひとつでした。

 

医療法人からの転職だったのですが前の仕事の経験を全く活かせないというのも寂しい気がしていて、相続に関わることができると言われた時、何か少しでも活かせることがあるのかなと。それもあって事務所を選ぶ決め手になったのかなと思います 

 

転職をして平成27年を迎え少しすると、やはり相続業務がかなり多くなり法人業務と合わせていろんな経験を積むことができました。

 

当初は法人業務がメインになるのかなと考えていたのですがどんどん相続業務が増えるにつれ法人業務を別部署に振っていき、相続がメインになり始めます。

 

そうなると亡くなった方の相続税の申告なわけですからやはり人間の生き死にに触れるようになり、相続人の方の悲しみを目の当たりにするそういう立場になりました。

 

たまたま相続業務が他の事務所と比べて多い税理士法人に転職することになり、平成27年の相続税の基礎控除改正のタイミングもあって多くの経験を積むことになったのですが、元々は医療法人で人の死に触れる経験があったのも潜在意識としてあったのかなと。

 

仕事の内容というのは勤めているとなかなか自分で選ぶというのは難しい面もあり、その点様々な経験をさせてもらったこと、多くの相続の案件に携わることができたというのはいますとても大きな財産になっていると感じています。

 

どういう仕事をしたいか、どんな税理士になりたいか、どういう事務所で働きたいか、そういうことを考えておくのは就職・転職の際には後々独立したいと考えているのなら重要度は増します。

 

独立した後どんな風に仕事をするかも含めて今のうちから想像できそうであればしておくとモチベーションにもなるでしょうし。

 

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まとめ

相続の業務を経験できたのは偶然でもあり、医療法人での経験があったのも少なからず影響しているのかなと。

どんなことがキッカケになるかは分かりませんが、逆に言うとどんなことでもキッカケになり得るのだなと感じます。

 

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この記事を書いた人

ひとり税理士として独立開業した京都在住の税理士です。ひとり税理士としてチャレンジしていること、考えていることなどを発信していきます。

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