「獣の奏者」(けもののそうじゃ)、
何度も何度も読みました。
大人のためのファンタジー、オススメです。
あらすじ
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ごくごく簡単に概略をまとめると
リョザ神王国という異世界の地で、エリンという主人公が
過酷な運命に翻弄されながら、人間と獣の関わりかたを描いたファンタジー作品です。
作者は上橋菜穂子さん。
本作以外にも、守り人シリーズや
最近では本屋大賞を受賞した「鹿の王」で有名です。
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上橋菜穂子さんは、もともと文化人類学者で
オーストラリアの先住民アボリジニの研究を専門としておられます。
それゆえ、本作では人々の自然との関わり方、
自然と共存しての日々の営みがリアリティ豊かに描かれています。
その描写力はまるで自分がその異世界に迷い込んだように、
生活の匂いまでも感じることが出来ます。
なかでも王獣と闘蛇とよばれる生き物を通して
人間と自然との関り、人間が生き物を飼うという事を考えさせられます。
政治と権力と
本作が大人のためのファンタジーと言われる理由は、
政治と権力が描かれているところです。
前述の王獣と闘蛇は
その強さゆえに、政治と権力闘争に利用されます。
それぞれの立場で正義があり、
モノゴトがある一点のみの視点ではなく、
様々な視点で描かれていることも魅力のひとつです。
現実の世界でもそれは同じ。
ひとは様々な葛藤、矛盾、理不尽に向き合い、
自分を納得させながら日々を過ごしています。
本作の中で、主人公のエリンも
様々な苦難に直面し、悩み、それでも決断していきます。
その悩み葛藤し、決断する姿に胸をうたれ、感情移入できるので
本作は大人にぜひ読んでほしい作品と言われるのだと、勝手に納得しています(笑)
生物の描写がリアル
異世界の、架空の生き物である王獣と闘蛇ですが、
その生態からしてものすごくリアルです。
野生の生き物は、生まれ育ち、獲物を狩り、排泄し、繁殖し、老い、そして死にます。
それはとても自然なことですが、普段生活していると
それを感じることは多くはないです。特に都市部に住んでいると。
架空の生き物であるはずなのに
この野生の生き物のサイクルを本作ではリアルに感じることが出来ます。
それは著者の描写力、観察力が素晴らしいからです。
生き物が好きならば、その点だけでも
本作を読めばきっとドハマりすること間違いないです。
まとめ
大人が読める、大人のためのファンタジーです。
物語も急展開あり、泣けるシーンもありで、
全く飽きさせません。
一気読みできること間違いなし。
お時間あるときに是非、まとめ読みをオススメします。